第四章
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三人を家に迎え入れた、そうして男を見ると美しい娘を二人左右に侍らして肉や魚を貪り食っていた、そして子供達実はソルダヌィ達を見て言った。
「何だ御前等」
「うん、僕達はこの近くの妖精なんだ」
風の神が芝居をして答えた。
「太陽の神様のご家族にはよくしてもらっていて」
「それで今日は遊びに来たのか」
「そうだよ」
にこりと笑ってそういうことにした。
「それでおじさん今食べてるよね」
「それがどうした、折角いい家を見付けていい娘達を見付けたんだ」
それならとだ、男は娘達に酌をさせて肉や魚を次から次に出させつつ言った。
「ここで娘達を女房にしてやってな」
「このお家で住むんだ」
「そうしてやる」
こう言って貪り食っていく、だが。
風の神は兄弟に目配せをしてだった、三人共娘達を手伝うと言って何食わぬ顔で男の傍に来てそうしてだった。
風の神が二人に呪文を教えた、そして今度は胸を叩けと言った。
二人は風の神の言葉に従った、その様にすると三人は忽ち元の姿に戻り成り行きに驚いて動きが止まった男に一斉に襲い掛かり。
それぞれ短刀を出して首や胸を何度も刺して遂に仕留めた、すると太陽の神は三人に対して言った。
「あの、何と言えばいいか」
「何、俺達もこいつを倒さなくてはならなかった」
「当然のことだ」
オルダヌィとソルダヌィが太陽の神に答えた。
「だから礼はいい」
「俺達は俺達のやらないことをしただけか」
「いえ、そう言われても」
それでもと言う太陽の神だった。
「この度は貴方達に助けてもらいました」
「はい、私達もです」
「危ういところを助けてもらいました」
男にあと一歩で強引に妻にされるところだった太陽の神の娘達も言ってきた。
「ここはどうかです」
「お礼を」
「そうであれば」
それならとだ、太陽の神の妻が言ってきた。
「貴方達は妻を持たれていますか」
「俺はもういる」
風の神は太陽の神の妻の言葉に笑って答えた。
「風の女神がだ」
「貴方の妻ですか」
「そうだ、家に帰ればいつもいる」
「それでは」
「俺はその申し出はいい」
「では」
「こちらの二人となるな」
オルダヌィとソルダヌィを見て言うのだった。
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