第二章
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「よくわかりません」
「そうなのですか」
「今の貴方のお話は」
「例えるなら川でしょうか」
「川ですか」
「そうです、黄河の水はなくては何も出来ませんな」
孔子は魯にも大きな影響を与えるこの大河を例えに出した。
「そうですね」
「はい、それは」
その通りだとだ、人も答えた。
「農作も何も出来ません」
「我々が水を飲むことも船で行き来することも出来ません」
「そうなってはどうすればいいか」
「そうですね、しかし過ぎますと」
その黄河の水がというのだ。
「氾濫してしてしまいますね」
「そうして多くの家が流されます」
「そうなります、ですから」
「過ぎてもよくないのですね」
「そうです、何事も程々です」
それが一番だというのだ。
「何といいましても」
「そうですか」
「はい、ですから子貢はです」
彼もというのだ。
「その頭と目が過ぎることがです」
「問題ですか」
「私にとって心配なのです、私自身も」
孔子はここで笑って自分の話もした。
「この身体です」
「ああ、貴方は確かに」
その人は普通位の体格だ、だが長い髭を持つ孔子は。
恐ろしいまでに大きい。背も巨人の様であるが筋骨も隆々としている。とてつもない大男だ。
その孔子を見てだ、彼も頷いた。
「お家においても」
「門や扉を大きくしましたし床も」
「並の大きさのものではですね」
「寝られませんので」
だからだというのだ。
「それでです」
「そのお身体のことで」
「大き過ぎまして」
孔子はこのことは苦笑いで述べた。
「頭をぶつけることも多く」
「苦労されていますか」
「私自身過ぎますので」
身体があまりに大きくてというのだ。
「難儀もよくしていますので」
「だからですか」
「過ぎることはよくない」
「そう言われるのですね」
「左様です」
その通りだと言うのだった。
「過ぎたるは及ばざるが如しです」
「そうなりますか」
「それで子貢も心配なのです」
頭が過ぎて目もである、それがというのだ。
実際に子貢は極めて頭の回転が早く言われてみれば何でも即位妙塔で答えてみせて機転も利いた、何事もよく見てすぐに長所と短所を見抜いた。
その為商売でも多いに儲け家は裕福だった、だが。
よく人を見てだ、こう言った。
「曹殿は怠け者ですな」
「そういえばそうですね」
「あの人はあまり働きませね」
「そして袁殿は抜けています」
「確かに。何処かぼうっとしていて」
「失敗もします」
「このお二人はそれが問題で」
子貢は周りにさらに話した。
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