第二章
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二人でだ、その耳を見つつ名付けた。
「耳が大きいからな」
「ミミにする？」
「名前はそれでいいか？」
「そうよね、名前はね」
まさにとだ、満里奈も夫の言葉に応えた。
「それでいいわね」
「そうだな、それじゃあな」
「名前はミミね」
「そうしましょう」
二人で話してだ、そのうえで。
二人はその猫、ミミと一緒に暮らしはじめた。二人共既に本やネットで猫の飼い方を勉強していてだった。
ミミを育てだした、トイレにはしっかりと砂がありキャットフードも水も皿に入れて出してだった。
ミミをしっかりと育てた、二人の情熱が実りミミはすくすくと育っていった。ミミは里親募集サイトに書いてあった通り明るく元気で人懐っこい猫だった。
いつも家族の傍にいて寝る時もそうしていた、しかし。
満里奈は美奈代と会った時にぼやいて言った。
「毎日一緒にいて楽しいけれど」
「それでもなの？」
「悪い娘でね」
「どんな感じなの？」
「すぐに引っ掻いたり噛んだりしてくるの」
実は毎日そうしている。
「何もしていなくてもね」
「猫ってそうよ」
美奈代は満里奈にあっさりとした口調で答えた。
「人が何をいていなくてもね」
「引っ掻いたり噛んだりするのよ」
「そうだったの」
「あと悪戯ばかりするでしょ」
「悪さばかりね。我儘だし」
満里奈はミミのそうしたことも話した。
「すぐに毛づくろいしろって傍に来てね」
「しないと引っ掻いたりしてくるでしょ」
「噛んだりしてね」
「それが猫よ、あと家事してる時どう？」
「邪魔してくるわ」
満里奈はすぐに答えた。
「何かしたらね」
「そうでしょ、それが猫なのよ」
「猫ってああなの？」
「大抵の猫がね」
「すぐに攻撃してきてなの」
「我儘でね」
「家事の邪魔をするの」
満里奈は美奈代に眉を曇らせて言葉を返した。
「そうしてくるの」
「そう、勝手な生きものなのよ」
「我儘とは聞いてたけれど」
「凄いでしょ」
「あれ位なんて思わなかったわ」
それこそとだ、満里奈は美奈代にやれやれという顔で話した。
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