二十四 昨日の敵は今日の友
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んだというのだ。
「要するにナルを監視するための人員ってことっスか」
「まぁ…そういうことだな」
苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる綱手の答えに、シカマルは顔を顰める。
シカマルの不機嫌を感じ取ったのか、綱手は「だが、ダンゾウが指名した相手はいわば、大蛇丸に殺されに行くようなもんだがな」と不明慮な言葉を続けた。
「どういうことっスか」
「見ればわかるさ」
綱手の曖昧な返答に、シカマルの眉間の皺が益々深く刻まれる。
シカマルの怪訝な表情を前に、綱手は苦笑した。
かつてサスケの里抜けに助力し、結果的に『根』に捕らえられた『音の五人衆』。
他三人は死亡を確認したが、唯一生存していた彼らの生け捕りに成功した話は、五代目火影である綱手も耳にしていた。『根』ではなく、木ノ葉が保護すべきだと再三申し出たが聞き入れてもらえなかった忍びの子ども────左近と鬼童丸。
要するに、あの時、サスケを追跡するメンバーの一員であり、『音の五人衆』と対峙したシカマルやナルにとっては、死人も同然。
つまり、今回の天地橋へ赴く際、【根】の者としてダンゾウに指名された左近と鬼童丸を一目見れば、ナルやシカマルが驚愕するのは間違いない。
「あ〜…ひとつ言えることは死人が同行するってことだな」
「は…?」
先ほどまでの気難しい顔とは一転して、ぽかんとするシカマルの肩を、綱手はぽんっと労わるように叩いた。
「いったい、どこにいるんだってばよ!新しいメンバーは!?」
サソリの部下であるスパイが天地橋に現れるまで、もう時間がない。
早速、天地橋へ赴く為、木ノ葉の里を出発したナルはぷんぷん憤慨しながら、木から木へと跳んでいた。
里内で待ち合わせ場所に訪れたのは、シカマルと、そして綱手に選抜された元火影直属の暗部であるヤマト。
昔からの幼馴染であるシカマルとの任務に、ナルの喜びようと言ったら言葉にできないほどだった。
はしゃぐナルを宥めつつも満更ではないシカマルの様子に、ヤマトは内心(青春だねぇ…)と眩しげに眼を細める。
初対面のヤマトに対してもすぐ気を許したナルだが、他にも同行すると言われていた残り二名の姿は見当たらない。どうやら、里外で会う手筈になっているらしい。
万物の始まりと終わりを示す『あ』と『ん』の文字が連なる重厚な門を後にする。
木ノ葉の里を出ても一向に姿を見せない見知らぬ二人に、ナルが腹を立てている隣で、シカマルは後ろを振り返った。
(木ノ葉の里では大手を振って歩けない相手ということか…?)
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