二十四 昨日の敵は今日の友
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い」
「それで、俺が同行するというわけですか…」
たとえ元暗部であっても、サスケが木ノ葉のスパイだと、綱手はヤマトに知らせていない。
つまりシカマルがこのたび、天地橋へ赴く理由は、サスケが潜入捜査を続行できるようにうまく根回ししろ、ということだ。何故なら、現時点でサスケがスパイだと知っているのは、五代目火影である綱手と、五代目風影の我愛羅、そしてシカマルのみ。
仮に天地橋にサスケが現れた場合、彼がスパイだとバレないように、真実を知っているシカマルが上手く誘導する必要がある。
「簡単に言ってくれますね…」
「保険だよ。そんな事態にならないことが一番だ」
理想としてはサソリの部下であるカブトを生け捕りにして大蛇丸の情報を得ることだ。
大蛇丸が自ら現れる可能性もサスケがスパイだとバレる可能性も無いとは言い切れない故、事情を知っているシカマルが天地橋へのチームメンバーに抜擢されたのである。
「ただし、何か異変が起きたら逐一報告してくれ。場合によっては増援を送る」
「わかりました」
了承したシカマルは、そこで不意に、ナルに襲い掛かった色白の青年を思い出した。
確か、サスケが里抜けをする以前、火影の座をかけて綱手が志村ダンゾウと争っていた時期。
あの時、サスケの傍でよく見かけた少年と、色白の青年の顔立ちはよく似ている。
同一人物ではないかと思い当たって、シカマルは先ほどの出来事を綱手に語った。
墨で描いた狛犬を使っての攻撃だと耳にして、綱手はついと形の良い眉を吊り上げた。
「おそらく【根】の者だろう…しかしどういうつもりだ?ダンゾウが指名した人数は二名のはずだが…」
思案顔を浮かべる綱手に、シカマルは「どういうことっスか」と訝しげに訊ねる。
ダンゾウの顔を思い浮かべて渋い顔をした綱手は、今回の任務で上層部になんとかナルが天地橋へ向かうことを承諾させたものの、追加の班員に関しては【根】で用意した忍びをつけさせる、と条件をつけられたことを語った。
実際、現状第七班は、うちはサスケと春野サクラが里抜けしている為、ナル、ただひとり。
はたけカカシが倒れた今、だれか追加の班員が必須。
「だからこそ俺と、火影直轄の暗部であるヤマトさんがメンバーになったんじゃないんですか?」
「上はそれじゃ納得しないんだよ…特にナルは九尾の…」
そこで綱手は言葉を切る。
彼女が口ごもった理由を、シカマルは知っていた。
波風ナルが九尾の人力柱であるという事実。
幼い頃は、彼女が里の人間から何故疎まれているのか不思議で仕方がなかった。
少年の頃にはそれとなく理解し、現在ではそれは確固たる真実だととっくに把握している。
だけどナルが九尾の人柱力だからといって、それがな
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