二十四 昨日の敵は今日の友
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室内で騒がしい物音がして、シカマルは眉を顰めた。
呼び出されたものの、既に先客がいるようだ。出直そうか、と思ったところで、「入れ」と中から火影の指示があった。
綱手の声に従い、火影室を開けると、執務机を挟んで誰かが火影である彼女に直談判している。見知った顔に、シカマルは眉間に皺を寄せた。
「私も天地橋の任務に同行させてください!」
「お前は砂隠れの任務から帰ってきたばかりだろう」
「それを言うならナルもでしょう!」
シカマルの幼馴染たる山中いのが鬼気迫る勢いで、綱手に交渉している。
いのの並々ならぬ威勢に、シカマルは無意識に部屋の隅へ後退した。触らぬ神に祟りなしならぬ、触らぬいのに祟りなし、だ。
幼馴染だからこそ、彼女の剣幕にげんなりしつつも、何事か、と疑問を抱いていると、綱手の視線がシカマルに留まった。
「話は以上だ────シカマル」
急に話を振られたシカマルが動揺しつつも、綱手の許へ向かうと、いのが苦み走った表情で火影に叩頭する。
すれ違い様に、じろりとねめつけられ、シカマルは肩を竦めた。
「───いいんスか?」
いのが火影室から遠ざかってゆくのを見計らってシカマルが訊ねると、綱手は執務机で手を組んで、深々と溜息をつく。
「どうも天地橋への任務に、あやつも行きたいらしい」
【暁】に攫われた風影の我愛羅奪還の任務に就いていた波風ナル・山中いの・日向ヒナタ、そしてはたけカカシ。
その際、いのは、サソリ、正確にはナルトからの情報で、大蛇丸のもとにいるサソリのスパイと接触する機会を得た。
草隠れの里にある天地橋。
其処に、大蛇丸の部下と落ち合う事になっていたというサソリの話に乗り、指定された日にちと時間に向かう手筈となっている。その任務に、いのも加わりたいと志願してきたのだ。
サソリとの闘いで、チャクラも体力も本調子ではないはずなのに、やけにしつこく食い下がってきたいのに、綱手は頭を掻いた。
「仕方ないっスよ…いのはサクラと仲が良かったっスから」
木ノ葉の里を抜け、大蛇丸の許へ向かったのは、うちはサスケと春野サクラ。
サスケは、実は木ノ葉のスパイとして大蛇丸の許へ潜り込んでいるのだが、その真実を知っているのは極わずか。
一方のサクラはサスケについて大蛇丸の許へ行ってしまったので、こちらは抜け忍として扱われている。
どちらにせよ、サスケがスパイだという事実は機密事項なので、世間一般的には、サスケもサクラも抜け忍と思われている。だから彼らがいる大蛇丸の手がかりを、ナルもいのも欲しているのだ。
ナルは同じ七班としての仲間であるサスケとサクラを。
いのは想い人であるサスケと、恋敵であり親友のサクラを。
大蛇丸の
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