第四章
[8]前話
彼等は戦いに勝った、そのうえでブケオに勝利を祝う宴の場で尋ねた。
「全部あんたのお陰だ」
「あんたが来てくれたから勝った」
「ホロホルイブを倒してくれたお陰だ」
「そのお礼がしたい」
「何がいいだろうか」
「そうだな」
少し考えてからだ、ブケオは答えた。
「今ガルボーヅルは石が悪い」
「そうなのか」
「石が悪いのか」
「だから石神のご加護を受けてだ」
そのうえでというのだ。
「いい石が欲しい」
「では石か」
「石が欲しいのか」
「そうなのか」
「いや、石神が欲しい」
石そのものではなくそれを司る神をというのだ。
「この島の意志神ア=ユス=ェル=バヅをな」
「あの神をか」
「ガルボーヅルに欲しいのか」
「そうなのか」
「お礼というのならな」
戦いに勝ったそれならというのだ。
「欲しいがいい」
「わかった、この戦に勝ったことは大きい」
「我々にとっても相当だからな」
「ではな」
「あんたに石神と会ってもらおう」
「そして神様に行ってもらおう」
「ではな」
ブケオは石神と会った、すると彼の整った顔立ちは神も魅了してこう言わせた。
「そなた程の美男に言われるとな」
「それならか」
「しかも武芸も凄いな」
神も戦に勝ったことを聞いている、それで言うのだ。
「お礼の話もな、ではな」
「ガルボーヅルに来てくれるか」
「そうさせてもらおう」
神もこう答えてだ、ブケオと共にガルボーヅルに入った。すると以後ガルボーヅルの石はいい石ばかり出る様になった。
パラオの古い話である、美男の勇者はその機知と武芸で石神故郷の島に連れて行った。そして石神は今もその島にいて島にいい石をもたらしているのである。美男の勇者の働きがあり。
石神の場所 完
2019・1・14
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