第四章
[8]前話
「人間そのものね」
「その縮図ね」
「そうよね、実は」
催しは催しでもだ。
「そうしたものよね」
「そうよね、本当に」
「観て、それで貴女の言葉を頭の中で思い出して」
私は飲みながら彼女に話した、ウォッカのカクテルだけれどストレートでないしジュースが多いのでそんなに強くない。適度な強さに感じた。
「それでね」
「わかったのね」
「貴女もでしょ」
「ええ、観ている間ずっと考えて」
そうしてというのだ。
「わかったわ」
「そうよね」
「何となくでもね、それで今貴女と話して」
そうしてというのだ。
「確信になったわ」
「そうなのね、私もね」
彼女とここで話してだ。
「確信になったわ」
「お互いそうよね」
「本当に人間は自由な様で」
「マリオネットね」
「色々なものに動かされているのよ」
「そうよね、神様だったりね」
「世の中の色々なものに」
私にさらに言ってきた。
「そんなものよね。今の私達だって」
「自由に飲んでお喋りしている様で」
「明日のお仕事に差し支えない位とかお金とかね」
「そうしたことを考えているから」
今はそういったものが私達を動かしている糸で人だった。
「マリオネットよね」
「そうよね、結局人間は誰でもね」
「マリオネットね」
「動いているんじゃなくて動かさせられているのよ」
自分以外の、あらゆるものにとだ。
私達はマリオネットを観た後で話した。そうしてだった。
お酒は程々で終わらせてそれからそれぞれの家までの電車にまた明日と挨拶をして乗った。その後はそれぞれの家族の待つお家に帰って晩御飯を食べてお風呂に入って寝た。この時は家族と家庭のことに動かされた。そうして明日の仕事に備えてベッドで朝まで寝た。人間が何かということをわかったと思いながら。
マリオネット −操り人形ー 完
2018・12・2
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