第90話 会話は噛み合ってても腹の底はグダグダだったりする
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いたのを聞いてて、それだったら会話の切欠になるかなぁ? 的なノリで話しただけなのに、それが返って裏目に出ちゃったの? どうしよう。このままじゃ勲さん怒って帰っちゃう。そんな事になったら折角縁談を組んでくれたお父さんの顔に泥を塗る羽目になっちゃう。それだけは絶対に避けないと)
再び部屋の中に充満する気まずい空気。
片やう〇こがしたいのだがどうやって席を中座したら良いか迷う近藤。
片やどうやって相手の機嫌を取ろうか必死に策を練っているリーゼアリア(猫)。
双方の噛みあってるようで全く噛み合ってない脳内論争が無音の部屋の中を支配していた。
「あ、あの!!」
「はい!」
その空気を破るべく近藤が立ち上がる。そして彼女の顔をじっと見つめて来た。
真っすぐな目だった。鋭く真っすぐに一直線しか見ていない目。これこそが侍の目だと言われれば思わずそう頷いてしまいそうなほどに強く真っすぐな目に、思わずアリアは見入ってしまった。
ほのかに頬が赤く染まっていく。
(やばい・・・思わず声を掛けたは良かったんだが、その後の言葉が全く見つからん。ってか、何でアリアさんは頬を染めてるんだ? まさか! 彼女もまたう〇こを我慢してたってのか!? それで、どうやって中座したら良いのか分からず、思わず頬を染めちまったって奴か。成程、どうやらお互い腹ん中にやばい物を抱えちまった訳か)
(どうしよう。あんな真っすぐな目なんて今まで見た事ない。そんな目で見られたら・・・何も考えられなくなりそう。どうしよう、この後何て言葉を掛ければ良いんだろう)
(どうしよう・・・どう言って席を中座すれば良いか。【一緒にう〇こ行きませんか】なんて口が裂けても言えねぇ。かと言って【すんんません。ちょっと厠に行ってきます】なんてのも言い辛い空気だ。やべぇよ・・・もうカウントダウン入っちゃってるよこれ。もう後数分しない内に出ちゃうよ俺の腹の中にある爆弾がーーー)
(勲さんどうしたんだろう。立ち上がったまま黙り込んじゃってるけど。そうか! 折角だから外を一緒に回ろうってお誘いしているのかも? でも、どう切り出したら良いのか分からず戸惑ってるんだとしたら・・・よし!)
意を決し、アリアもまた静かに立ち上がった。そして、近藤の元へと歩み寄りその手にそっと触れる。
「あ・・・アリア・・・さん?」
「勲さん・・・折角良い天気なんですし、外を一緒に歩きませんか?」
(つ、通じたあああああああ! 俺の思いが通じたんだよこれぇ! よっしゃぁぁ! これで席を立てる。後はタイミングを見て厠に突っ込めば万事オッケィだぁ!)
(よし、掴みはOK! 勲さんも嬉しそうな顔してるし、後はタイミングを見てまた会話を始めればきっ
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