暁 〜小説投稿サイト〜
女神と星座の導きによりて
星25 帰還
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 「ふふっ、お久しぶりですね。アルデバラン」

 口元を抑えてクスリと笑います。
 するとアルデバランは

 「真名、貴女は今まで何処に居たのだ?この七年、聖域の聖闘士達が探しに探して見つけられなかったんだぞ?」

 ……七年ずっととか、その執念が怖いです。果たして誰の執念なんでしょうね?

 「すみません、私個人の事情です。聞かないでくれるとありがたいのですが……」

 誤魔化せたらなーっと思い、目を伏せ、表情を暗くします。
 私的には迫真の演技だと思うんですけど、いかに?

 「ふむ……真名がそんなにも話したくはないとは……、分かった。気にはなるが、聞かないでおこう」

 流石アルデバラン!話が分かります!

 「ありがとうございます。アルデバラン」

 「しかし、真名。貴女は聖闘士を辞めてしまったのか?仮面を付けていないのはそういう意味なのだろう?」

 床に座り込み立っている私を見上げるアルデバラン。座ってもギリギリ私の方が高いと言ったところでしょうか。大きいなぁ。

 「そうですね。今では聖闘士もどきみたいなモノですかね?完璧に辞めた訳ではないのですが、仮面を付けていないのは流れです」

 「……流れ?」

 「流れです」

 しばらく無言でしたが、くっくっくと小さく笑う声がアルデバランからします。笑える要素は何処ですか?

 「貴女は何年経っても変わらんな。なんだか懐かしい……。嬉しく思うぞ」

 あ、懐かしくで思い出しました。

 「アルデバラン、私が書いた手紙読みました?」

 そう言って確認します。

 「ああ、読んだ。”力だけでなく、速さにも経験値を振りなさい”と書いてあったからな。これでも速くなった方なんだ」

 ふむふむ、なるほど。これは気合を入れて

 「今度、内緒で速くなる様になる訓練表でも作りますか」

 「今度?真名、これからはずっと聖域に居るのか?」

 まぁ、うん。

 「そういう事、ですかねー?」

 「そ、そうなのか……。また賑やかになるかもな。昔の様に」

 その事なのですが……

 「アルデバラン」

 「なんだ?」

 「私が聖域に帰って来た事は誰にも言わないでください」

 その言葉を聞いたアルデバランは驚愕に目を見開きました。

 「な、何を言っている!何故秘密にしなければいけないんだ?」

 そりゃそうですよねー。私でもそう思いますよ、うん。

 「実は、私が戻ってきたのはアテナの為なんです」(※嘘ではありません)

 「アテナの……?」

 「はい、そうです。私が聖闘士もどきみたいな事になっているのも、アテナの為でして」(※嘘ではありません)

 「…………」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ