ありふれた職業で世界堪能
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の、錬成陣だったか?最近掘られた物だな。ハジメ以外にそんな奇特な奴が居るわけもなし。少し休憩して服を乾かしたら追うぞ」
「早くハジメ君を探さないと!!」
「見つけて一緒に共倒れでもするのか?死にかけたことでアドレナリンが出まくってるから大丈夫に思いこんでるだけだ。あと、思っている以上に体温を持っていかれた。半日持てば良いほうだ」
「でも」
「良いから休むぞ。やばい気配が下から感じる。即時に使える種を量産する必要もある。ハジメを信じろ。人間、追い詰められれば真価を発揮する。奴なら生き残れる」
七夜君はそう言いながら、色々と豆や種を植えては成長させて加工していく。呼吸を整えて落ち着き、頭痛がしてきた頃には立派なテントが2つと竈が出来上がっていた。
「テントの中でも火を使えるようにしておいた。次は何時休憩できるか分からんからな」
再び色々な植物を育て始める七夜君の言うことに従ってテントの中で服を脱いで乾かしていく。薪なども最初から用意してあってベッドまで作られている。布団代わりの大きな葉っぱを巻きつける。下着も気持ち悪いから脱いで乾かしておく。意外とこの大きな葉っぱが暖かくて柔らかいからそのまま地面に座っても問題ない。
「何処がありふれた天職なのかな?完全に別種のような気がするよ」
迷宮の魔物もショベルで叩いて簡単に倒してるし、便利な植物をいっぱい作ってるし、普通にこんなテントとかも立てちゃうし、万能すぎる気がする。
召喚されたあの日、ステータスプレートに表示された低いステータスと農家という天職にクラスメイトの殆どが笑っていた。だからどうしたと手切れ金に農具と種、最低限の食費と耕した場所で取れたものの3年の無税をもぎ取ってお城から居なくなった。
次に会ったのは迷宮に向かう途中だった。ありえない広さを耕し、既に実をつけている蕎麦を見て異世界の物だからと疑問に思わなかった。メルド団長が後でありえないと言っていたから七夜君の力なんだろう。そもそも耕している範囲が広すぎた。それに誰も気づかなかったのが今でも不思議だ。ハジメ君だけは七夜君の使っていた農具がぼろぼろなのを見て錬成で修理して使いやすいように調整をしてお礼を言われてたのを覚えている。その時だけが錬成士というありふれた天職だと皆に笑われてから初めてみるハジメ君の笑顔だった。
そう言えば、学校では基本的に農業雑誌や農業新聞を読んでいた七夜君が何故ハジメ君を友と呼ぶのかすら知らない。そんな事を考えていたらそのまま横になって眠ってしまっていた。
豆と種の準備が終わった所で、ハジメが向かったと思われる通路を見る。足跡から見て怪我などはしていないようだが、食料もなしの状態で害獣に囲まれている環境。ストレスから発狂していなければ良
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