ありふれた職業で世界堪能
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なかったそれとは大幅に変化している。今も緩やかに成長しているが、初日は中々面白い上がり方をしていた。騎士団長はその数値に目を丸くしている。
「お待たせ。何か有ったの?」
白崎が不思議そうにしているが放置でいいだろう。急いでハジメを助けに行かなくては。
「なんでもない。急ぐぞ」
「うん!!」
出来るだけ急いでハジメが落ちた場所まで最低限の休息だけで迷宮を駆け抜ける。白崎の荷物も担ぎ、害獣共はショベルで叩いて突いて野ざらしにしてきた。
「ここが現場か」
「うん、ハジメ君はここで、皆を逃がすために」
地形が変形している部分に橋がかかっていたのだろう。ここから落ちれば死は免れないだろう。それでも骨ぐらいは拾ってやろうと思った所で真下に水脈があることに気がつく。地面にうつ伏せになり、体全体で周辺の大地を感じ取る。
「真下に激流だが水が流れている。即死を免れた可能性があるが、大分流されただろうな」
「本当!?」
「白崎、泳ぎは得意か?」
「えっ、普通のプールとかならそこそこだけど」
「なら少し待て」
背嚢からこの世界特有の大豆に近い豆を取り出す。それを握りしめ集中して力を込める。身体の中からごっそりと力が無くなったあとに握っていた豆を地面に埋めて、今度は地面に力を流し込む。そうすると地面に埋めた豆が急速に成長し、鬼灯に似た植物が生える。それを収穫し、つるも使って背嚢に括り付ける。
「白崎、お前も身体に括り付けろ。浮袋だ」
「えっと、何がなんだか追いつけないんだけど、とりあえずどんな結び方が良いの?緩いとまずいんだよね?」
「基本中の基本もやい結びだ。やり方を見せるから真似をしろ」
儂自身を教材として結び方を説明する。最後にお互いを繋ぐ。
「いいか、溺れないこと浮かぶことだけに集中しろ。調整は全部儂がやる。儂を信じろ。絶対にハジメの元まで辿り着いてみせる」
「うん、七夜君を信じるよ」
背嚢を背負い直し、二人揃って崖から飛び降りる。
酷い嘔吐感に襲われて咳き込み目が覚める。
「ゲホッゲホッ」
うつ伏せになって水を吐き出していると背中を擦られる。
「よしよし、なんとか息を吹き返したか」
背中を擦ってくれているのは七夜君のようだけど、何があったのか良く分からない。
「飛び降りた先が鉄砲水でな。分岐も多かった。白崎は途中で頭をぶつけたのか溺れた。その直後に登れそうな場所を見つけて手当をしたところだ」
私が落ち着くまでの間に七夜君が簡単に説明してくれる。
「さて、問題はハジメが此処に、流れ着いていたみたいだな」
「えっ?」
もしかしてハジメ君が!?
「手掘り
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