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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第206話「絶対神界戦線」
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所に向ける。
 そこには、なのはと奏の姿が。

「(二人に宿る“天使”……彼女達が、何かするかもしれないしな)」

 神界に来てから二人の様子が若干変わっていた事に、優輝は気づいていた。
 そして、根拠がない故に優輝は憶測にすら出さなかったが、直感的に奏となのはなら一対一でも何とかするだろうと、そう感じていた。
 もしかしたら二人がジョーカーになるかもしれないと、そう思ったのだ。

「(まぁ、まずは自分の所を何とかするか)」

 思考を切り替え、優輝は改めて目の前の神と対峙した。









   ―――ギィイイイン!!

「ッ……!」

「ッ……!」

 刃と刃がぶつかり合い、互いに後ろに後退する。
 奏が相対したのは、自分と同じように二刀を扱う神だった。

「(巧い……?いえ、互角……?)」

 一人では倒しにくい事は重々承知だった。
 しかし、それにしては互角過ぎる事に、奏は内心首を傾げていた。

「(戦闘技術の割に、私と実力が拮抗している……“性質”が関係している……?)」

 奏の推測は当たっていた。
 奏は知る由もないが、今相手している神は“対等の性質”を持つ。
 その“性質”により、奏と対等の戦闘技術と強さになっているのだ。
 戦闘技術はともかく、強さ自体は神界の神としてはランクダウンもしている。

「(これは……)」

 初戦で神界での戦いの感覚は掴んでいる。
 そのため、一手一手に“勝つ意志”を込めている。
 一撃でも当てれば、物理的ダメージには劣るが確実に勝利に近づけるのだ。
 だが、その一撃すら、相手は上手く防ぐ。

「『エンジェルハート、モードリリース』」

〈『わかりました。サポートに移行します』〉

 奏が下した判断は、この拮抗状態を正面から打破するというもの。
 ジャントとの戦いから、無闇に強化するのは危険だと、奏の勘が叫んでいた。
 それだけ、敵の強さは不自然に互角に近かったのだ。

「(初戦の敵と似た類の“性質”なら、どの道一人では倒しきれないわ。……時間を稼ぐにしても、対等でい続けられる戦法で……!)」

 基本的に攻撃が速く軽い奏だが、戦闘スタイルは実に堅実なものだ。
 優輝のようにカウンターを得意とする玄人向けのスタイルでもなく、司や緋雪、神夜のように魔法や身体能力に特別優れている訳でもない。
 帝のように手札が多くもなく、所謂フェイト(速さ)クロノ(堅実さ)を合わせたような戦闘スタイルとなっている。

「ガードスキル……“Hand Sonic(ハンドソニック)”」

 重さを捨て、速さと手数で攻める奏。
 火力不足な所があるが、その堅実さ故に、簡単に負ける事はないだろう。

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