第7章:神界大戦
第206話「絶対神界戦線」
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それは言霊のように、駆け付けた神々を強化し、10倍の人数差を質で埋める。
―――神界の命運を賭けた戦線が、そこにあった。
「……おいおい……」
帝が茫然としながら、そう漏らす。
「これが……神界の戦い……」
優輝達は大きな勢力同士のぶつかり合いを目の当たりにしていた。
片や洗脳されてイリスの手先となった神々。
片やそれを食い止める神々。
数の差は多きけれど、拮抗した戦いがそこで繰り広げられていた。
「……一つの戦線ですね。戦いが始まって、状況もかなり変わったようです」
「中心人物を定め、進行を食い止める部隊を作ったか。長丁場になると見て、“持ち堪える事”を目的とした徒党を組んだようだな。中心の神は、何かが違うぞ」
優輝達がいる場所は、戦線を遠くから眺められる程離れている。
物理的な距離は関係ないとは言え、そこからでも何か感じる事ができていた。
それほどまでに、戦線の中心人物……ディータは強い部類に入っていた。
「援護に入る必要は……」
「なさそうだよ」
司が心配そうに言うが、
「“詠歌”とはまた違う……でも、それより遥かに強い力が、あの神々に働いてる。一人一人が、ほぼ確実に私より……“強い”」
「なっ……!?」
一筋の冷や汗を流しながら言うとこよの言葉に、それを聞いていた者は驚く。
隣にいる紫陽も冷や汗を流しており、感じられる力がそれだけ強大なのを表していた。
「……その通りだな。僕も見た限り、敵数人に対し、一人で立ち回っているのがほとんどだ。中には十人以上を相手にしている。それだけ強いのだろう」
「あれを……か」
帝が思い浮かべたのは、先程の戦いでの相手。
相手の“性質”を考えれば仕方ないとはいえ、複数掛かりでやっとだったのだ。
初戦がそうなれば、後の戦いも基準として思い浮かべてしまう。
そして、そんな相手を複数相手にしている事に戦慄せざるを得なかった。
「えっ、嘘っ……!?」
「まさか、増援……!?」
しかし、ここで状況が動く。
なのはとユーノが驚いたように、敵側にさらに増援が来たのだ。
それも、さっきまでの敵数と同等以上の数が。
「このままだと、押し切られるぞ……!」
ディアーチェが焦ったように言う。
しかし、すぐさま優輝達は動く事が出来ない。
相手は一人でも数人がかりだった神々だ。
不用意に飛び出した所で、事態が好転するはずがないと、誰もが分かっていた。
「……いえ、行く必要はなさそうです」
その時、ソレラが一点を見つめながらそう
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