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レーヴァティン
第百五話 大坂からその十

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「足を怪我してしまう」
「そうなるからでござる」
「草履は必要だな」
「足袋も履いて」
 そしてというのだ。
「草履も履けば」
「足の守りはいいな」
「その分長く動けてでござる」
「速く走ることも出来るな」
「だからでござる」
「草履や足袋を用意したのは正解だったな」
「そして素足にもしていないでござる」
 足全体もというのだ。
「下穿を穿かせているでござるが」
「俺達が率いる足軽はな」
「服を着ているだけでも」
「それだけで守りになるからな」
 己の身を守るそれにとだ、英雄は述べた。
「だからだな」
「いいでござる」
「いい服を着せることもな」
「戦に勝つことでござる」
 ここでは下穿のことだ、言うならばズボンである。もっと言えば足袋や草履も服を着せることに入るだろうか。
「そして飯もでござる」
「多く持って行くからな」
「用意は万端整ったでござる」
「後は戦略と戦術だな」
「そっれで勝つでござるよ」
 こう話してだった、そのうえで。
 英雄は一万の軍勢を率いて仲間達と共に興福寺の軍勢との戦に向かった。耕平はその間も自分の下にいる忍の者達を使ってだった。
 敵の情報収集に務めていた、そうして河内から大和に入ってだった。
 そこから奈良盆地に向かう平城京の西の方を東に進む中で英雄は耕平に言われた。
「こっちに来てるぜ」
「興福寺の軍勢がか」
「そや、その数一万や」
「数はほぼ互角だな」
「大和の国人達も入れてや」
「あちらについた連中もか」
「興福寺の方に入ってや」
 それでというのだ。
「こっちに向かってるわ」
「では僧兵とか」
「そや、侍もおる」
「そうした軍勢か」
「そや、主力は興福寺の僧兵やけどな」
「侍の軍勢も多い」
「そうした相手や」
「雑多な軍勢の様だな」 
 英雄はその目を鋭くさせて述べた。
「そしてその雑多な軍勢とか」
「今からな」
「俺達は戦うことになるな」
「そういうこっちゃ」
「雑多か、ならな」
「そこをやな」
「活かしてだ」
 敵の雑多な軍勢のそうした部分をというのだ。
「戦うか」
「数が多くても」
 香織もここで言ってきた、今大坂城は幸正が水軍の訓練も兼ねて護っている。他の者達が英雄と共にいるのだ。そして峰夫は大和の南に行って山伏達を通じて紀伊にまで至る山地にいる山の民達を味方につけんとしている。
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