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レーヴァティン
第百五話 大坂からその九

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「飲んでいますしこちらの世界で」
「やがてはやな」
「妻を迎えたいと考えています」
「そやねんな」
「それで興福寺の方も」
「特にです」
 まさにというのだ。
「拙僧は問題にしていません」
「そうなんやな」
「民を苦しめていないなら」
「戦の後で降してもやな」
「むしろ僧侶は学者でもあります」
 これはこの世界でも同じことだ、宗教家はどの世界でも文字を知りそこから学問に励むので学者にもなるのだ。このことは仏教もキリスト教も同じだ。
「ですから」
「その学識を役立ててもらうか」
「そうあるべきかと」
「そうだ、俺も外道は潰すが」
 それでもとだ、英雄も言ってきた。
「しかしだ」
「そうでないのなら」
「役に立つ者達ならな」
「そのままですね」
「この陣営に加える」
 自分達のというのだ。
「そうする」
「そうですか」
「人材は必要だ」
 英雄はこの現実を短いが強い言葉で述べた。
「一人でも多くな」
「この島を統一してですね」
「治めてだ」
「そのうえで」
「海の魔神を倒す」
 この究極の目標のことも言うのだった。
「だからな」
「今はですね」
「多くの人材が必要だ」
「だからこそ興福寺の僧侶達も」
「他には比叡山も高野山もだ」
 こうした力のある寺々もというのだ。
「こちらに加える、だが教が政に口出しすることはな」
「これまで通りですね」
「させない、特定の教えが政に入るとな」
「よくないですね」
「俺は優れた人材は欲しいが」
 それでもというのだ。
「宗教は邪教でもない限り禁じないしだ」
「どの教えもですね」
「贔屓にしない」
 それもしないというのだ。
「だからだ」
「それでは」
「興福寺もだ、今から兵を向けるが」
 無論英雄達自身が出陣してだ。
「降しても潰さない」
「降ればですね」
「それで終わらせる」
「では」
「戦だ、鉄砲はある」
 この武器はもう揃えているのだ。
「そして槍は長くな」
「弓矢もありますね」
「しかも具足もよくした」
 足軽達のそれも質をよくしたのだ。
「草履まで履かせている」
「草履があるとでござる」
 智がこのことについて述べた。
「素足よりもでござる」
「安全だな」
「素足はどうしても危険でござる」
「そうだな、すぐに石なりを踏んでな」
 道に落ちているそうしたものをだ。
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