第89話 天使が善で悪魔が悪になるのは時と場合
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? あ、でも趣味とか聞いて答え辛い趣味とかだったらどうしよう。変に気まずい空気になるだけだし、いっその事職業聞くとか・・・って既に聞いてたじゃない私の馬鹿! どうしよう、会話が全く思いつかないよぉ。同じ世界のキャラならいくらでも思いつくのに、こんな侍でチョンマゲで切腹ハラキリーな江戸の侍と話す言葉なんて見つかる訳ないじゃない! どうしたら良いのぉぉ!)
ただただ、両者の間には沈黙だけが続いた。
互いを見つめあってはいるのだがなんて会話をしたら良いのか全く見当もつかない為だ。
「「あ、あの!」」
いざ、決意を固めて会話を切り出そうとすればこれまたタイミング悪く同時に声を掛けてしまう。
そしてまた気まずい沈黙が流れると云う繰り返しが続いていた。
【なぁにちんたらやってんだよ! てめぇそれでも男か? 侍かコノヤロー!】
(そ、その声は!? この俺の心の中に救う悪の心。又の名を【デビル勲】)
近藤の右肩に座るように現れたのは黒い全身タイツを着て蝙蝠みたいな羽根を背中に生やして、頭に二本の角を生やした悪魔っぽい恰好の近藤の姿があった。
デビル勲は渋る近藤に対し悪魔の囁きを始めだす。
【こんな上玉めったに抱ける代物じゃねぇだろうが。この際関係だけ作っちまって飽きたらポイすりゃ良いんだよ】
(だが、侍として自分を好きになってくれた人を無碍になど出来る訳がないだろうが)
【なぁに甘っちょろい事言ってんだよ。相手はあの天下のリリカルでマジカルなとこ出身の甘ちゃんだろうがよぉ。俺達みたいな薄汚れたアウトサイダーとは違うんだよ! そんな俺達と見合いなんざしちまったのがあの女の運の尽きだったって奴だよ!】
(そ、其処まで言わなくてもーーー)
【良いからさっさとこの縁談快諾しちまえよ! そんでもってさっさとホテルに行って来い! お前の中にある研ぎ澄まされた刀を鞘から解き放つのは今しかねぇんだぞぉ!】
悪魔の囁きは尚も近藤を誘惑してきた。悪魔の甘い囁きに思わず心が動いてしまいそうになった正にその時だった。
【いけませんよ。そんな事は】
(そ、その声は! 俺の心の中に救う善の心。又の名を【エンゼル勲】)
今度は近藤の左肩に乗るように純白のコートを着て天使の羽根を生やしたエンゼル勲が舞い降りていた。
【近藤勲。悪魔の囁きに惑わされてはいけません。貴方は大いなる過ちを犯そうとしているのですよ】
(おぉ、エンゼル勲が俺の本能を止めてくれた!)
【ちっ! 邪魔すんじゃねぇよエンゼル勲が!】
エンゼル勲の登場にデビル勲はすっかり機嫌を悪くしてしまった。
しかしそんなデビル勲の事など気にせずにエンゼル勲はつづけた。
【良いですか近藤勲。物
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