第89話 天使が善で悪魔が悪になるのは時と場合
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近藤が見合い相手と出会っている丁度その頃、我らが万事屋御一行は屋根の雨漏れ修理の真っ最中の中にあった。
「うっし・・・これで雨漏れは粗方塞いだな。後は瓦を敷けば終わりっと・・・その前に飯にすっか」
「キャッホーーイ! お腹ペコペコアルよぉ銀ちゃん!」
「ねぇ、誰か僕の話聞いてくれない? 僕の切実な悩みに耳を傾けてくれない?」
「ですから肉体改造でしたら私にお任せ下さい新八さん。その貧弱な胸板もどこかの一子相伝の暗殺拳伝承者みたいにして差し上げますから」
「余計なお世話じゃボケェェェ!!」
等と、四人がワイワイガヤガヤ何時もの如く騒がしくしながら仕事をこなし、一息入れる為にと屋根の上に腰を下ろし昼食を取っている真っ最中であった。
「さてさて、今日の昼飯はっと・・・そう言えば、今日の昼飯仕込んだのは誰だ?」
「私じゃないアルよ」
「僕でもないですよ」
「ぱっつぁんでも神楽でもないし、俺は仕込んですらいない・・・って事はーーー」
銀時の視線が恐る恐るなのは(シュテル)へと向けられる。
その視線に気づいた彼女が自信に満ちた顔で胸を張っていた。
「ご安心下さい! 今回は私の自信作です。沢山作りましたのでいっぱい召し上がってください」
「あ・・・そう・・・」
嫌な予感がする。
頭の中に響く危険信号を右から左へと聞き流しながら銀時は持ってきた弁当箱のフタをゆっくりと開いた。
其処に合ったのはぎっしりと詰められた具材たっぷりのサンドイッチであった。
こんなの、原作銀魂ではまずお目に掛れないレアな昼食と言える。
だが、何故だろうか?
そのサンドイッチから禍々しいオーラが放たれているのは?
「へぇ、美味しそうですねぇ」
「美味そうアル! 私この卵サンド貰うネ!」
「あ、おいお前ら!」
一切事情を知らない新八と神楽が迷うことなく用意されたサンドイッチを掴みそれを齧る。
そしてそのまま倒れこんでしまった。
顔は真っ青になり口からはカニみたいに泡をブクブクと吹いて白目を剥いてしまっている。
正直かなり危険っぽい感じだ。
「おいいいいいいいいいいいい! 新八ぃぃ! 神楽ぁぁぁ! てめぇシュテル! これに一体何混ぜ込みやがった!」
「何と言われましても、前にお父様に食べさせたのと同じ物を仕込みましたよ」
「それじゃこれ猛毒サンドじゃねぇかぁぁぁ! だから前にも言っただろうが! あのク〇ハ汁みたいな奴は今後使うなって言っただろうがよぉ!」
「ご心配なく。あのソースはそれ以降改良に改良を重ねましたので味には問題ありません!」
「目の前で問題が発生しちまってるじゃねぇかぁ!」
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