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ある晴れた日に
365部分:天使の様なその十

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天使の様なその十

「それでもね。温かくね」
「見ていけばいいか」
「何かついついあれだけれどな」
「パパラッチっていうのか?」
 最早完全に定着している言葉であった。
「そんなふうになっちまうけれどな」
「それでもかよ」
「そうした方がいいと思うよ」
 また話す竹山だった。
「僕はね」
「なあ」
 坪本は彼の話をここまで聞いたうえで他の二人に言ってきた。
「俺思うんだけれどな」
「ああ」
「何だ?」
「あれこれ見るのもいいけれどな。竹山の言う通りにするのもいいんじゃねえのか?」
「温かく見守るっていうのかよ」
「ああ、それな」
 それだと二人にも話すのだった。
「それでどうだよ」
「そうだよな。それもな」
「悪くないっていうかそっちの方がいいよな」 
 野茂と坂上もそれに頷きだしたのだった。
「やっぱり。そうだよな」
「俺もそう思うな」
「だろ?だからな」
 坪本はまた二人に話した。
「そうしていくか」
「皆にも言ってみるか」
「そうするか」
 こう話していくのだった。彼等はすぐにメールを打つ。それは全員にであったがそれを受け取った恵美達はすぐに考える顔になった。恵美のいる観覧車には茜と千佳がいた。
「ねえ」
 恵美はメールを受け取るとすぐにその二人に尋ねた。
「これ、どう思うかしら」
「そうね。いいと思うわ」
「私も」 
 茜も千佳もこう彼女に答えた。二人は向かい合って恵美と対して話をしている。
「考えてみれば探偵みたいに見るのってね」
「よくないわよね」
「そうよねえ」
「何か興味本位でやってたけれど」
 皆ここで気付いたのだった。
「やっぱり。それより」
「見守るのがいいかしら」
 千佳と茜は顔を見合わせて言い合った。
「あの二人にはね」
「そうするべきかしら」
「そう思うわ」
 そして恵美はここで二人に言うのだった。
「私も。一緒にいるけれど」
「あれっ、そういえば恵美って」
「今回静かだったわよね」
 二人はここで彼女の様子に気付いたのだった。
「というか恵美って二人には」
「特に何も言わないしね」
「言う必要がないから」
 だからだというのである。
「何か。見守りたくはあるけれど」
「だからだったの」
「何も言わないのは」
「いい関係よ」
 その二人の関係のことである。
「とてもね」
「そうね、確かにね」
「見ているだけでね」
 千佳と茜も彼女の言葉を聞いて笑みになった。
「ぎこちないところがあるけれど」
「凄く純真で」
「幸せになれるわ」
 今度はこうも言う恵美だった。

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