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迫りくる海草
第六章
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「どうなるかと思いましたが」
「難は去りました」
「海底の街も村もです」
「救われます」
「そうですね、よかったです」
「それで、ですか」
「お礼に」
 海豚と王子は二人にこう言ってそれぞれあるものを出した、海豚は珊瑚の玉を王子は真珠を出した。 
 それぞれ差し出してだ、ヴォネガット達に言うのだった。
「この度助けてもらったので」
「お受け取り下さい」
「今回は本当に助かりました」
「そうですか、こうした時お礼は受け取るものですね」
 逆に受け取らないと失礼になる、ヴォネガットもわかっていてだ。
 彼等からのお礼を受け取った、そしてだった。
 二人は彼等からのお礼を受け取って海底都市に戻った、そこでも報酬と謝礼を受け取ってそうしてだった。
 ポートランドに戻った、街に戻るとヴォネガットはホーソーンを街のあるレストランに案内した。そこでだった。
 ブイヤベースにシーフードサラダ、メーンの名物のロブスターを丸ごと塩茹でにしたものに鮭のカルパッチョ、ティーボーンステーキそしてデザートにアップルケーキを頼んだ。酒にはロゼのワインを注文した。
 それを飲み食いして依頼を達成したことを祝っていると。 
 ヴォネガットの手にあるものが宿った、それは何かというと。
「タンホイザーの杖ですね」
「只の杖やないな」
 木の硬そうな杖だ、その先に芽が息吹いている。その杖を見ての言葉だ。
「おもろい杖やな」
「はい、武器にもなり」
 ヴォネガットはホーソーンに心の中で語り掛けてくる言葉を述べた。
「そしてです」
「それだけやなくてやな」
「私に神のご加護を与えてくれます」
「ご加護もか」
「はい、攻撃から何から何まで」
「それはええな」
「有り難い防具です、そして私自身も」
 心の中で自分に言ってくる言葉が教えていた、それをホーソーンに話すのだった。
「神託を乗り越えて」
「それで、ですね」
「全体的に一回りです」
「強うなったか」
「そうなりました」
 ヴォネガットにこのことも話した。
「有り難いことに」
「ほなその力もやな」
 新しい神具と合わせてとだ、ホーソーンはロブスターを食べつつ自分と同じものを食べているヴォネガットに話した、両手で持って殻を外して豪快に食べている。
「使ってやな」
「世界を救います」 
「そうするな」
「神託は適えましたが」
 ロブスターを食べつつだ、ヴォネガットは答えた。
「それで終わりではなく」
「わい等はこの世界を救うのが目的やからな」
「その為にです」
「これからも頑張るな」
「そうです、この世界を救う為に」
 是非にとだ、ヴォネガットは言ってだった。
 ロゼのワインも飲んだ、そのワインはロブスターにもよく合っていた。それでそのワインの味も
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