星22 出発
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「……、なんでこの屋敷から出た事のないあんたがそれを知っている」
「それは秘密です」
今は話す時ではないので。
「その説明も大事ですが、一輝、貴方に渡すものがあります」
「?」
「これです」
そう言ってポケットからお手製お守りを一輝に渡します。
「これはなんだ?」
「一応説明文を書いておきましたが、簡単に説明させて頂くと、もしも、もしもですよ?デスクィーン島で何か致命的な大けがをしたらコレの中身を使いなさい」
「は?」
まぁ、はぁ?ってなりますよね。うん。
「良いですか?助かりたい、助けたいという状況になったら迷わず使う事。約束して下さい」
「……、そういうのは瞬に渡せ」
「沙織に届けて頂きましたよ?」
「あの守り袋か。だが、こちらの方が大きいみたいだが」
「効果はある意味一緒です」
物は基本的には一緒です。質が違いますが。
「もう一度聞くが、瞬にも渡したんだな?」
「沙織が渡した所を見たのでしょう?」
疑い深いですねぇ……仕方ない事ですけど。
「施しは受けん」
「受けろ。阿呆」
ここまで説明させておいて”施しは受けん”とはこれ如何に。
思わず口調も乱暴になりますわ。
「む……」
「む。じゃぁありません。いいですか?絶対ですよ?」
フリではありませんからね?その時に後悔しても知りませんよ?
「……わかった。受け取ろう」
そう言うと一輝はお守りを受け取ってくださいました。ホッと一安心です。
これで受け取らなければ服に糸で縫い付ける所でしたよ。
「では、そろそろ時間ですね。一緒に行きましょう」
警報まだ止んでませんし、私が一緒に行った方が一輝も、もしかしたら殴られる事はないと思いますしね。ていうか、させませんが何か?
さっきの塀の辺りにまだ人だかりがありますね。
ん?紫龍が胸倉を掴まれて……殴られそうになってる!?
「子供に何してるんですか!!」
思わず叫びましたよね。
「ま、真名様……!?」
犬を連れた警備員さんを思いっきり睨みました。
子供達の一部から”怖っ”という声が聞こえましたが無視です。
「その子を離しなさい」
「しかし!一輝を庇う事をしたのですよ!?」
「……離せ。っと、言いました」
聞こえませんでした?
私がそういうと警備員さんは顔を青褪め、紫龍を掴んでいた手を離し、その場から離れていきます。
……言われる前に離れるとは、SPよりはマシですかね?
「大丈夫ですか?紫龍。すみません、無茶を頼んでしまって」
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