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女神と星座の導きによりて
星21 射手座とペガサス座
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、痛っ」

 殴られて気絶していた瞬が最初に気が付きました。ああ、無理して起き上がってはいけません。
 優しく頬に手を当てヒーリングを施します。
 すると少しずつ頬の腫れは消え、痛みで歪んでいた顔つきも元に戻り、いつもの優しい顔になりました。

 「わぁ、真名さん、本当に魔法使いみたいですね。痛みが無くなりました」

 まさか、傷が完璧に癒えた事には気付いていないみたいですね。仕方ありません。
 そうして未だに気絶している紫龍と氷河にもヒーリングを使って、傷を癒し終わり、壁に寄り掛かる様に座らせてアイオロスの部屋の扉を見つめました。
 瞬から視線を感じたので目線を合わせようと屈みます。
 
 「あの、真名さん。星矢は……?」

 此処に着いたのか気になるようですね。瞬を安心させてあげる為に優しく微笑みます。

 「ちゃんと此処へ着きましたよ。今はこの部屋の中です」

 そう聞くと瞬はホッと安心した顔になって微笑み返してくれました。
 それから、少し……、多分二、三分たった頃に扉がゆっくり開きます。
 そこから周りを警戒しているのでしょう。ゆっくりと星矢が出てきました。
 
 「あ、星矢!」
 
 「お、瞬!無事で良かった!」

 瞬と星矢はお互いが無事(本当は瞬は無事とは言えなかったけれど)で安心したようで、両者とも笑顔です。

 「星矢」

 「あ、真名さん」

 「話は出来ましたか?」

 アイオロスと、という意味で話しかけます。

 「真名さん、おれ……」

 「ん?」

 星矢は真っ直ぐに私と目を合わせ、決意したという意思を感じます。

 「おれ、おじょ……沙織さんを守るぜ。色んなモノから、守ってやれる男になりたい!」

 お、おおう……。中でどんな会話をしたのか、明確に分かる訳ではありませんが、やっぱり沙織関係であった様ですね。
 ん?

 「”沙織さん”?」

 星矢は今、沙織の事を”お嬢さん”ではなく、”沙織さん”と呼びました。何かの決意をしたみたいですし、とにかく見守りますか。

 「なんだよ。おれが沙織さんの事を沙織さんって呼んじゃダメなのかよ?」

 不貞腐れたように言い放ちます。違うのですよ、星矢。

 「いいえ、それは良いのですが……、星矢?」

 「ん?」

 「沙織を守るとはどういう事か、分かっていて言ってます?」

 この子の持つ予定の聖衣は”ペガサス”。
 このペガサスはある意味特別な物で、遥か昔の聖戦では、ある偉業を成した聖闘士の聖衣です。
 でも、それは昔の話。今のこの星矢が成すかは、私やアイオロスが居る事によって変わるかもしれません。でも、聞かずにはいられなかったのです。

 「分かってる……
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