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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒星団-ブラックスターズ-part2/シエスタの隠し事、テファの悩み事
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「ほら、憐。頼まれてた仕掛けの一つができあがったぞ」
「わぁサンキュー!やっぱお前手際がいいよな!」
完成された骸骨を受け取り、嬉しそうに眺める憐。テファの目から見ると、憐の明るいキャラと骸骨という不気味な組み合わせが、憐を危ない人間に思わせそうで、見てるこちらとしてはちょっと引いてしまう。この様子だと、シュウが変身した銀色の巨人や、あの女子生徒たちが召喚した悪魔の戦いのことも、アンリエッタの一派による情報操作で認知していないのだろう。
すると、憐が何か思い出したのかシュウに尋ねてきた。
「あ、そういやさシュウ。愛梨、来なかった?」
「愛梨?いや、来ていない」
きょとんとしながら、シュウは憐の質問に首を横に振る。
「あれ?もしかして、先に帰ったのかな?いつもはお前と一緒に帰りたがってたのが当たり前だったのにさ」
「へ、振られたんじゃねぇの?」
尾白が意地悪く言ってくる。尾白の余計な一言は適当に聞き流したが、言われてみれば確かに、とシュウは思った。というか、この一週間の間、愛梨が顔を見せてくる頻度が少なくなってきた気がする。最近アプローチに熱が入りすぎてる気がしていたが、かといっていきなり姿があまり見えてこなくなるのも妙な気分だ。
「尾白もんなこと言ったり高い理想ばっか求めてないで早く彼女作って見ろよ。それだけで幸せだぜ」
憐が何を言い出すんだと、からかい返すように言った。普段ならうるせぇ!と言い返して意地を張ってくる尾白だろうが、今回も彼の反応は違っていた。
「くくくく…安心しろ。もはやお前というリア充など恐るるに足らん」
シュウと憐は、尾白の妙に勝ち誇ったような態度にちょっとイラッと来るがそれ以上に困惑し、顔を見合わせる。テファもまた、どう反応すべきか困っているようだ。
「へっへへ…実はよ、ついにこの尾白様も、リア充の仲間入りを果たしたのだ!しかも相手はあのキュルケ!!」
「…へぇ」「ふーん」
キュルケの名前を聞いた途端、シュウの口から気のない声が漏れた。憐も細い目でじとっと怪しそうに見ている。
「あ、信じてないだろその反応!あいつから出された条件だって俺には朝飯前なやつだったぜ!あれはもう俺に気があると見て間違いない!」
「条件?」
「おっと、これから約束の時間だからな。先に帰らせてもらうぜ!それ知らせに来たから、それじゃぁな!」
そのキュルケが提示してきた条件とはなんなのか、それを聞こうとする前に、尾白は壁に賭けられた時計でそろそろ時間が来たことを知ると、すぐさま教室を飛び出していった。
「絶対早とちりだと思うんだよなぁ…なぁ?」
「あぁ…」
憐は肩をすくめながら呟いた。シュウも、あの面食いなキュルケが尾白と付き合おうとしてくれる、なんてとても思えなかった。一度言い寄られたことがあるからよくわかる。あの
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