黒星団-ブラックスターズ-part2/シエスタの隠し事、テファの悩み事
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体何用でメールしてきたのだろうか。気になってメールを読んでみる。
ティファニアさんへ
良ければしばらくの放課後、お時間を頂けますか?
「え?シエスタがいない?」
「うん、シエシエ、授業が終わった途端にすぐにどこか行っちゃったよ」
どこかに行った?話を聞いてサイトは耳を疑った。シエスタがサイトに食事の誘いをかけることも、放課後に一緒に帰ることなども日常茶飯事だ。自分かサイト、どちらが弁当をうっかり忘れたときも欠かさずに。いつもと違うシエスタの行動パターンにサイト自身が一番当惑していた。
「どこに行ったかは知ってるか?」
「私は知らないよ。ねぇ、シエシエがどこにいったか知ってる?」
友達の間では、シエスタは『シエシエ』と呼ばれてるようだ。女子生徒が教室内の友達に尋ねるも、「知らなーい」と返事が返ってきた。いないのか…一体どこに行ったのだろうか。ありがとう、と一言例をを言い残して立ち去ろうとすると、サイトに尋ねられたその女子生徒が引き留めるように声をかけてきた。
「ねぇ、あんたシエシエの幼馴染でしょ?」
「え?そうだけど」
「シエシエ、いつもあんたの話ばっかりだから。そんなあの子が、最近妙に上の空なことがあるの。授業中も休み時間も。何かあったの?」
「いや、俺にはなにも…」
「ふーん…」
女子生徒はサイトをいぶかしむように見ると、さらにこんなことを口にする。
「平賀君、ちょうど先週で飛行機事故があったって話聞いてる?あのときからシエシエが言ってたよ。『サイトさんは最近隠し事をしてる』って。あたしの勘だけど、あんたが相談してくれないのを気にしてるんだって思うよ」
一週間前の飛行機事故というのは、実際にはウルトラマンとビシュメルの戦闘の余波による被害のことだ。アンリエッタの実家の情報操作で、事故を起こした飛行機の破片が落下して町の各所に被害をもたらしたことになっている。
「…」
「何かあったかわからないけど、シエシエを泣かしたらダメだよ?」
シエスタは真面目だ。そんな彼女が授業に身が入らないとは。今の自分は、今自分がいる世界の裏で起きている惨劇に対し、ウルトラマンとして戦っている。だが正体を隠しておかねばならぬ以上、そんなサイトを見てシエスタもまた何かに悩みを抱えているのだろうか?
「…わかった。とにかく探してみる」
「あたしの方で見つけたら、君が探してるって伝えておくね」
最後に女子生徒からそのように言われたサイトは、引き続きシエスタを探し回ってみるが、なかなか見つかることはなかった。
最初はいつもいるはずのシエスタがいないことに不慣れな感覚を覚えたが、放課後にまた会えるだろうからとタカを括ることにした。
結局サイトはシエスタを見かけなかった。なら放課後に見つけるしか
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