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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒星団-ブラックスターズ-part2/シエスタの隠し事、テファの悩み事
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なたの場合仕方ないじゃない。私は、その…一応魔法が使えるわけだし」
アンリエッタから話を聞いた時、まるで漫画や映画のような話だったと受け止めただろう。一般人の知らないところで、誰かが世界のために戦う。あんな怪物を相手に、アンリエッタたちがいつもの日常の裏で戦っていた。何も知らずにのうのうと暮らしていた自分に、ルイズも少なからず腹が立った。だからもし、次も同じような事件が起きたら、自分の中にあると判明した魔法の力で、町を守ろうと考えている。だが、テファにはそれがない。彼女には戦う力そのものがないのだ。だったら、安全な場所にいるのが最善と言える。
「そうだぜ、何も戦うことだけが、ってわけじゃないさ。今自分にできることを見出して精いっぱいやる。それが一番だぜ」
「あら、サイトにしてはまともなこと言うじゃない。褒めてあげるわ」
「へいへい、大変光栄の極みにございます〜」
「そう思うなら、もっと嬉しそうにしなさいよ。なによ、その言わされてる感満載な返事」
ルイズのプライドが高いが故の、妙に上から目線な言い回しに対してサイトがわざと棒読み間のある返事をしたことに、ルイズはちょっと不満そうだ。自分の言い方に問題があるとは考えてないようである。とはいえ、これも二人の間ではいつも通り、つまりは気を許した間柄だからこそできることだ。
「うん、そうだよね。仕方ないん…だよね」
ルイズの言う通り、自分に戦う力がない以上はどうしようもない。だから、何かをしたいと、ウルトラマン…シュウが傷付くのを見てられないと思っても、どうしようもないのだ。
テファはこれ以上首を突っ込んではならないと言い聞かせるように、どこか寂しそうに呟く。サイトたちが優しい言葉をかけてくれることはありがたい。でも、今の彼女にとって気にしているのは、助けたいと思う相手に対して、何もしてやれてないことだ。

幼い頃から自分の面倒を見てくれているマチルダ。
孤児院の従業員として力を貸してくれるアスカ。
そんな彼らと共に支える相手でありながら、心配せぬように気遣うくらいに慕ってくれる子供たち。
そして何より……

銀色の巨人、ウルトラマン。その変身者たる『彼』のために、
何かできることはないだろうか。

そうやって葛藤を抱えながら放課後になった。
テファはふと、自分の携帯に着信があったことに気づく。
(シエスタさんからメール?)
あのビシュメルの事件でのシエスタのその後だが、病院で瓦礫の当たった頭部の治療を受けたこともあって事なきを得た。障害の残るような大怪我でもなく、日常生活においては問題はない。だが大事を取って、数日の間だけ休みを取り、今は無事普段通り登校している。その間サイトは、目覚まし役になっているシエスタの不在が影響して幾度か寝坊しかけたとか。
テファは、シエスタが一
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