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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒星団-ブラックスターズ-part2/シエスタの隠し事、テファの悩み事
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女のアプローチは少なくとも最初は顔目的だ。でも尾白はいたってフツメン。どこにでもいるタイプの男子高生。しかも女を靡かせる魅力も見当たらない。そう言ってしまえば、キュルケが尾白に惚れる要素など皆無に等しい。やはり尾白の一人勝手な妄想だろうと、シュウたちは片づけることにした。
「あ、すみません先輩。私もそろそろ時間なので」
すると、テファも時間を気にしていたのか、自分も帰ることを告げる。
「あの、それと…今日からは送らなくても大丈夫です。しばらくお世話になりました」
「いいのか?また変な奴らに言い寄られたりするかもしれないぞ」
「少しは自分で対処できるようにならないと、先輩のご迷惑にもなりますから」
「そうか、それじゃ気を付けて帰れよ」
「はい。では、また明日」
テファは深く二人に頭を下げて教室を後にした。彼女も立ち去ったのを確認すると、憐がシュウに対してある提案を持ち掛けてきた。
「シュウ、これから尾白を付けて見ない?」
「尾白を?どうして」
「あいつのことだから適当にあしらわれるだろうし、アフターケアも必要だろうしさ」
「…なるほど、それもそうだな」
それを聞いてシュウは、あぁ…と予想していた尾白の未来のその先を読んだ。キュルケに実際には遊ばれていたことを理解し、その嘆きに満ちた愚痴を飽きるまで自分や憐にぶつけてくるに違いないと。
面倒な奴だとシュウは思った。でも放置しておくとしばらく聞きたくもない愚痴を延々と聞かされ、他のことに集中できなくなるのも嫌だ。無視を決め込もうとしても、結局そうしてくる。仕方ないと思いつつ、シュウは憐と同行することにした。





サイトたちに追跡されているとは知らず、学校を後にしたシエスタは、秋葉原の街を歩いていた。しかしどこか挙動不審気味に周囲を見渡している。見渡して何もないと思うと、ほっと一息ついて再び町を歩き、近くに街の時計塔を見かけるとその足元で待機し始める。
携帯をいじりながら、またしても周りを見る。自分でも怪しいとは思うが、『あること』のためと思うと、どうしてもそのようにふるまってしまう。不安を抱えつつ少し待っていると、待ち望んでいた人物が来訪した。
「ごめんなさい、お待たせしました!男子の方を撒くのに時間かかっちゃって」
来たのは、アンリエッタとティファニアの二人だった。帰り際に、またしても学校の男子生徒らに追跡を食らったようだ。
「いえいえ、私もさっき来たばかりなので」
シエスタは二人に対して怒ることなく、そのまま三人で街の中へと向かい出した。
「ティファニア、先日の事件以来、あなたの暮らしている孤児院の方は大丈夫なのですか?」
しばらく歩いていると、横に並んでいたアンリエッタがティファニアにそのように尋ねてきた。
「えぇ、この前の一件で孤児院そのものは…
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