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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
黒星団-ブラックスターズ-part2/シエスタの隠し事、テファの悩み事
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結局ウルトラマンやアンリエッタたちにほとんど任せることになった。
(また、見ていることしかできないのかな。村にいた時も、港町にいた時も…私は何もできなかったし、私と離れていた間だって、あの黒い巨人と先輩は学院で戦って……)
彼らに苦難を結果的に押し付け、自分は傷付くことなく安全圏で見守るしかない。歯痒く思えた。結局自分は無力なままで、ただ彼らが傷付く様を見ていることしかできない。あの時もそうだった。村にあのような化け物たちが現れた時も…
(…あれ…村?それに港町って…)
ふと、自分の頭に浮かんだ過去の記憶に、テファは違和感を覚えた。行ったことのない場所にて、自分はそこでビシュメルのような怪物に襲われ、そこをシュウが姿を変えた銀色の巨人に救われ…
「ティファニアさん」
いつもなら授業をしっかり聞いているはずのテファだが、授業内容がいつも以上に耳をすり抜けていく。
(それに、先輩があの銀色の巨人?
なんで私、そんなこと思ったのかしら。まるでもう知ってたことみたいに。
…変だわ。あんなことがあったせいかしら。なんだか良くわからない違和感を感じてる)
「ティファニアさん!」
「っ!は、はい!」
再三の呼びかけでようやくテファは我に返った。
「外が気になるかもしれないけど、今は集中してほしいな」
その時間は生物の授業だった。担当教師である春野ムサシが、いつもの優しげな笑みを浮かべてテファにやんわりと注意している。
「いつもだったらサイトなのにね」
「おい、人をいつも怒られてばっかの問題児みたいに言うな」
テファが注意されているのを見て、ルイズや同じ教室内の同級生らが呆れ笑いを浮かべているが、その隣でサイトが不服そうに口をとがらせている。
「事実そのあたりは問題児じゃない。授業はしっかり聞きなさいよ。隣にいる私まで聞いてて恥ずかしいじゃない」
「いや、なんで俺が怒られんの!?」
注意を受けていたのはテファなのに、信用されていないサイトであった。



「テファ、なんか最近ボーッとしてること多いじゃない」
授業が終わって昼休みに入ってから、ルイズはとてもではないが晴れやかと言えない表情のテファに声をかけた。
「何か悩みでもあるの?は…話を聞いてあげてもよくってよ?」
相手に、いつになく優しくしようとしていることが少し照れ臭いのか、そっぽを向きながらルイズはそのように言った。
「やっぱ、あの日のことか?」
「うん…私、結局、なにもしてあげられなかった。町には孤児院の子や姉さんたちもいるのに、何もできなかった自分が悔しくて」
サイトからそう訊かれ、テファは頷く。同じく現場にいたサイトやルイズもテファがあの日、ビシュメルによって町が危うく壊滅するところであったことを引きずっていることを察した。
「でもテファ、あ
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