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女神と星座の導きによりて
番外 ミロ
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 俺は唖然とした。
 何故かって?何故なら……

 「林檎の木……」

 そう、真名からの俺宛の物はレシピでも行方のヒントでもない。
 ”林檎の木”だった。

 「馬鹿……野郎」

 真名は馬鹿だ。俺は”皆で食べれるアップルパイ”が食べたかったのであって、”皆で食べれる林檎”を望んでいた訳ではない。だが、これは……。
 
 「ミロ様、あと、これを……」

 男が収穫小屋から封筒を持ってきた。俺の名前が書いてあるからどう見ても俺宛だ。
 それを受け取り、その場で封筒を破き中身を取り出す。
 そこには

 「……ははっ。やっぱり馬鹿だな真名は」

 封筒の中身、手紙を開いて読んでみた。
 そこには

 ”知ってますか?ミロ。ギリシア語で林檎ってミロっていうらしいですよ!はっはっは!思う存分ご自分を食すが良い!なんてね。”

 真名は馬鹿だ、そんな事知ってる。俺はギリシア出身だぞ?知らない方がおかしい。
 その時、頬に何か流れる感覚がした。頬を拭って見ると、俺はどうやら涙を流しているらしい
 こんな事で泣くだなんて俺はいつから涙脆くなったんだ。
 あと、手紙の最後には

 ”皆で美味しく食べてください”

 なぁ、真名。
 アイオロスがアテナを暗殺未遂をしなければ、お前はまだ此処に居たのかな……。
 真名が居なくなって、皆バラバラになってしまったぞ。
 早く、聖域に戻って来い。馬鹿者め。
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