番外 ミロ
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るで待っていたかのように。
「……ああ、ミロか。君にはまだだったな」
そう言って、居住部屋から封筒を持ってくる。
我慢しきれなくて直に開けようとしたが、俺のではない別の手によって阻まれた。
「此処で開けない方が良い」
そうアフロディーテに言われ、どういう意味なのか分からなかったが、とりあえず言う通りにした。
軽く礼を言って急いで自分の宮に帰る。
何が書いてあるのか、その内容に期待が膨らんで鼓動が早くなっていた。
急いで帰っていたからか、下りだからか、どちらか分からないが、思っていたより早く天蠍宮に着いた。
居住部屋に入り、直に封筒を開ける。
真名は一体俺に何を伝えたかったのか。
今更になってハタっと冷静になる。
カミュにはクッキーの作り方だった。そんな内容で、俺に真名の行方を知らせる様な事を書くだろうか。
とにかく、読んでみないと始まらない。
そう思って折りたたまれた紙を広げる。
「は?」
俺は確かに最初期待した。真名の行方のヒントになるのではないかと。
だが、この手紙の内容を見て冷静になった。そう、冷静になったのだが……。
「”ロドリオ村の出入り口から北に向かって歩け”?」
手紙にはそれしか書かれていなかった。
一体どういう意味なのか。
俺は日の高さから見て夕方にはまだ早いと判断し、今から行く事にした。
十二宮を下り、最初となる白羊宮に着く。
双児宮は真名と同じく行方不明になっているので無人の宮だが、白羊宮の主は行方不明になったのではない。大分前に前の修行の地に戻ったのだ。
ムウは手紙の事を知っているだろうか。
もしかしたら一番最初に渡さているかもしれないと予想ではあるが、そう思う事にした。とにかく、今はロドリオ村に向かわなければ。
聖域から出てテレポーテーションを使い、ロドリオ村付近に到着する。
そして、村の出入り口に着き、手紙の内容を確認した。
「ここから北か……」
そう呟き、歩き出す。
しばらく歩くと農園に出た。こんな所に農園なんてあったんだな。
そこでまさか目的地はここじゃないよな?と思っていると背後から人の気配がして振り向く。そこにはつなぎを着た少し年老いた男が歩いて近付いてきた。
「ああ、貴方様はミロ様ではありませんか。お待ちしておりましたよ」
”待っていた”だと?
俺が少し不審に思っていると
「真名様からお預かりしているものがあります。着いて来て下さい」
そう言って男は歩き出す。
とりあえず、それに着いていくことにした。
農園の中を歩き、しばらくすると
「こちらが、真名様よりお預かりしていた。”木”でございます」
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