第一章
[2]次話
イヌイットの宝
エリカ=オルコットとエミリー=スノーは今はエリカの神託でアメリカアラスカ州ノームに来ていた、そこはアラスカ州の西の端にありベーリング海峡が前にあった。
二人共今は暖房が利いた部屋の中でブランデーを飲んで温まっている、エリカはその中でエミリーに言った。
「さて、今からな」
「ギルドに行ってやな」
「神託でありそうな仕事を探そうか」
「そやな、しかしな」
それでもとだ、エミリーはエリカにどうかという声で言った。感情はあまり出ていないがそれでもその感情はエリカにはわかった。
「流石アラスカやな」
「寒いやろ」
「それも桁外れにな」
「これがアラスカや、正直私もな」
見ればエリカも浮かない顔だ、その顔でブランデーを飲みつつ言うのだった。
「この寒さにはな」
「難儀してるな」
「そやから外にはな」
ここでエリカは自分達が今いる部屋、宿泊先のホテルのロビーの三重の窓から外を見た。外はブリザードが吹き荒れている。
その雪と氷以外は何も見えない世界を見つつだ、エミリーにさらに言った。
「私もな」
「あまりやな」
「行きたくないわ」
「せめてタイツとかカイロで武装してな」
「行こうな、というかもうな」
「もう?」
「イヌイット式の完全装備でいこか」
エリカはエミリーにこうも言った。
「外に出る時は」
「ああ、あの毛皮の服着てか」
「そのうえでな」
「外に出るか」
「さもないとな」
「ここの寒さには対抗出来んか」
「ここはとてもや」
それこそというのだ。
「あの人等の服やないと」
「外は出歩けんか」
「多少の防寒やとな」
アラスカの外はというのだ。
「死ぬで」
「凍死か」
「冗談抜きでそうなるさかいな」
「イヌイットの人等の服着てか」
「イヌイットになって外出ような」
エリカはブランデーを飲みつつエミリーに提案した、そして実際に二人はイヌイットの民族衣装である毛皮の服と靴に着替えてだった。
ホテルを出た、するとだった。
普通の身なりよりもずっと楽にブリザードの中を進めた、それでエリカはギルドに着いた時にエミリーに話した。
「何でイヌイットの人等がこうした服か」
「ちゃんと根拠があるな」
「そや、ほなや」
「神託もやな」
「この服を来て挑もうな」
「それが一番やな」
アラスカの寒さを考えるとというのだ、そうした話をしながらだった。
エリカは神託でありそうな仕事を探した、するとそれはアラスカのイヌイットの宝ノームのすぐ南の海にあるというそれを探してノーム市の役所に持って来て欲しいというものだった。依頼主はノームの市役所そのものだった。
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