第3話 得て嬉しきは竹馬の友
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あってはこんな時には何の役にも立たないのだ。そう考えてくるとなんだか前世の自分が酷くむなしく思えて泣けてくる。コミュニケーション能力磨いておけばよかったなぁ。
「どうしたの?」
「え、なにがっ!?」
そんな風に考え込んでいた所為か話しかけられてびっくりしてしまった。
「ううん、なにか悲しげな表情だったから…」
うん、間違っても本当のことは言えない。恥ずかしすぎる。
「自分の迂闊さを嘆いてたんだ…さっきのだけど…」
この際見られていたのはいい。手品だといって誤魔化すか、と思ったが、
「魔力って言ってたけど魔法を使えたりするの?すごいね!」
その笑顔のその一言に撃沈です!って、独り言まで聞かれてたんかいっ!?
「あの、つかぬ事をお伺いしますが一体どこからお聞きに?」
あまりのテンパり具合でつい敬語を使ってしまった。次の一言でさらに加速することになる。
「神社に来て『八束神社か。思っていたよりきれいだな』って言ってたところからかな」
ハイ、アウトォォォオオオオオオオ!最初からじゃん!もう誤魔化し聞かないレベルだっつーの!
「もうなんかどうでもよくなってきたな。うん」
心底そう思う。一転してあきらめの境地だ。そうだ。彼女に言わないでもらえるように頼むか。
「えっと、出来ればこのことは誰にも言わないで欲しいんだけど…」
「大丈夫、私口が堅いほうだから」
任せなさいと微笑みながら告げてくる。…それが今は聖母の笑みに見える。
「ありがとう。東堂朔也って言うんだ。きみは?」
「わたしは、神咲冬華って言うの。ここで巫女をしてるの。って言っても見習いなんだけどね」
「巫女ってことはもしかしてこの神社、神咲さんが掃除してるのか?」
「そうだよ。毎日って言うわけじゃないけど。あと、わたしのことはトウカでいいよ。多分同じくらいだと思うし。わたしは来年に小学校に入るの。東堂くんは?」
「同じく来年に入学だよ。俺のことはサクヤって呼んでくれトウカ」
なんだかんだでアイツら以外で初めて出来たな同年代の知り合い。
「うん。ところでサクヤくん」
「どうした?」
「サクヤ君明日も来る?」
「一応。ここ以外に人目につかないところが無いんだよ。だから出来れば使いたいなぁって思ったりしてるんだけどそこんとこどうなんでしょうか?巫女さん見習いのトウカさん」
「う〜ん、どうしようかな?」
指を口に当てて考え込むトウカ。なんか、わざとやってるな?にしても、様になってるなぁ。
「お願いします、掃除でもなんでもするんで!」
「ふふ、別にいいよ。さっきも来て欲しくて聞いたんだし。あ、でも掃除はサクヤ君がいいなら手伝って欲しい
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