暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第151話:Booster Forest
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ルティメットアーマーのプログラムがインストールされていく。

「………」

目を閉じるとニュートラルアーマーに大きく存在する今までにない強大な力を感じる。

『エックス、わしはお主の幸せを願っておるぞ』

そう言うとライト博士のホログラムは消え、それを見届けたエックスはエイリアに振り返る。

「行こう」

「ええ」

転送可能な場所まで移動するとハンターベースに帰投するエックス達。

一方、メンテナンスを終えたルインとアクセルはハンターベースの屋上にいた。

鳥の囀りがよく聞こえる穏やかな昼下がりで白い雲がゆっくりと流れていく。

「アクセル、大丈夫?」

「ん、大分落ち着いたよ…」

力が入っていない笑みを浮かべるアクセル。

最も親しいルナのイレギュラー化はアクセルの心に深い影を落としていた。

「…ルナは…イレギュラー化しちゃった…イレギュラーハンターはイレギュラーを倒すのが仕事…だから僕は…イレギュラーハンターとしてルナを…殺さないといけないのかな…?」

苦悩したようなアクセルの呟きにルインの目元に皺が刻まれたが、少しの間を置いて口を開く。

「ルナが…あの子があのまま、私達に銃口を向けるのなら…戦うしかないよアクセル……正直、私…少し自己嫌悪してる」

「自己嫌悪?」

「以前のコロニー事件で私は地球に蔓延したシグマウィルスとユーラシアの内部に満たされているシグマウィルスを除去するために…イレギュラー化する方法を選んだんだ」

「は?」

唖然としたような、アクセルの表情にやっぱりそうなるよなと苦笑するルイン。

「あの時、シグマウィルスを除去するにはああするしかなかったの。私はシグマウィルスの過剰吸収でイレギュラー化してエックスとゼロと戦った…その時の2人の立場になって本当の意味で分かったよ。私はエックス達に本当に酷いことしちゃったんだなって」

「………」

当時のことを振り返って自嘲気味に笑うルインにアクセルは何も言えなかった。

「でも、同じイレギュラー化を経験してるからこそ私達がやらないといけないことは誰よりも理解してるつもり。今のルナをあのままにしていたらどれだけの犠牲が生まれるか分からない。私はイレギュラーハンターとして、その現実から目を背けることは出来ない。それに…私達の知るルナなら、イレギュラーでいることを望まないんじゃないかな?そして…」

アクセルを真剣な表情で見遣りながらルインはゆっくりと口を開いた。

「ルナは君に助けて…止めてもらいたがってると思う」

「僕…に…?」

「女の勘だよ…多分ルナは君のこと…」

それだけ言うとルインは口を閉ざした。

彼女の気持ちを自分が教えるわけにはいかないと判断した
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