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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第150話:Prim Rose
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ントニオンとの間合いを詰めていく。
落ちてくるキューブの数は10を数えただろう。
地面に叩きつける音と振動が、キューブの重量の恐ろしさを痛感させた。
死が一瞬で到来するものだと、嫌でも思い知らされる。
しかし、これを乗り越えられれば勝てると確信した。
「な…!!?」
回避されていくキューブを見て思わずアントニオンは目を見開いた。
「これで終わりか?やはり性能が高くても戦いに関しては素人だな」
先程の仕返しも兼ねてゼロは余裕の笑みを浮かべながら言い放つ。
「馬鹿な…あれだけのキューブを全て回避したというのか!!?」
スペシャルアタックを放っている間のアントニオンは無防備で両腕を掲げたまま、間合いを詰めてくるゼロとアイリスを見つめるしかない。
「あなた達、新世代型レプリロイドの共通の弱点を教えてあげるわ。自身の性能に自信を持ち、私達を見下しているから隙だらけなのよ!!」
地を、空を疾走する2人は、まるで演舞でも披露するかのように、引き締まった勇姿を見せ付けた。
「行くぜ!!」
2人の力が解放され、セイバーとサーベルが共鳴するかのように光輝き、光刃が巨大化する。
「「ダブルアタック!!」」
ダブルアタックによって出力が強化された2人の剣が哀れなる獲物であるアントニオンに躍りかかる。
重装甲型のレプリロイドやメカニロイドでさえまともに耐えられないであろう斬?で斬り刻まれたアントニオンの生死を問うまでもないだろう。
「(………愚かなる旧きレプリロイドよ)」
死の気配を感じながら、アントニオンは低く笑った。
声は出ず、従って2人に笑いは届かない。
レプリロイド…人を超える新たなる生命体…進化した者。
アントニオンは優れた生命体…新世代のレプリロイドの1体として、自分より劣る生命体…人間と旧世代のレプリロイドを支えてきた。
それは劣る種への哀れみであり、慈悲であったがその心は愚かな人間がプログラムしたもの。
自分の都合がいいように。
自分はプログラムをされた思考を破った特別な存在で、その特別な者のみが生きる世界を実現するという理想は見る見るうちに自分から遠ざかっていくが、彼に後悔はなかった。
生き残った者達が必ず自分の後を継いでくれる。
「(そして旧き世界が崩壊するのを、恐怖に慄きながら迎えるがいい)」
やがて到来するであろう未来を思いながら壮絶な笑みを浮かべながらアントニオンは爆散した。
「やったな…」
敵の残骸を見下ろしながら、ブラックゼロを解除したゼロが独り言のように呟くと、隣でアイリスも頷く。
残る新世代型レプリロイドのイレギュラーは後1人。
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