星17 転移
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
あれから一週間位立ったでしょうか。
記憶がまだ曖昧ですが、ちょっとづつ戻ってきました。
私が元魚座の黄金聖闘士であった事。
アフロディーテという弟弟子が居る事。
双魚宮で暮らしていた事。
宮の裏で花園を育てていた事。
今はこの位ですね。
でも、何故でしょう。とても大事なモノ……ひと?でしょうか……忘れている様な。
胸の靄が取れません。
サガやディーテ達には言わない方が良いという予感がしますね。
本当になんなんでしょう?
まぁ、今は話さない事にしてます。
それから、私は教皇宮、サガの寝所の隣にある部屋、そこに今は住んでいます。
なので教皇……サガが合間を見て会いに来てくださってます。
いつも私に優しいです。なんていうか壊れ物に触れるかのように優しい……優しいんですけどね?
……実はもう、サガのもう一つの人格、白髪のサガに会っていたりします。
その時に言われたんですけど、
「お前はもう何処にも逃げられん。お前は、私のモノだ。絶対にこの部屋から出るな。良いな?」
えーっと?うん。
善サガはまるで恋人の様に扱ってくれて、悪サガは所有物的な?感じで接してきますね。
でも、共通点があるんですよ。まるで私がどこかに消えるんじゃないかって怯えているんです。悪サガはそんな素振り見せませんけど、ふとした時に不安そうな顔になるんです。一瞬なんでわかりにくいですけど。
何故そんな事に怯えているかというと、かれこれ二日前、とても美しい輝きが私を包み込んで、この部屋からアテナ神殿の寝所に転移した事がありまして……。
まるで誰かに呼ばれているかの様なのです。
一体誰が私を呼んでいるのでしょう?
なんだかその輝きを拒んではいけない様な気がするんです。
そう思っていたからでしょうか。
確か、コレってフラグっていうんですよね!
それが立ちました。
私が輝きの事を考えていた夜の事。
「真名!」
サガが青褪めて私の名を呼んで見つめます。
私の周りに前回よりも強い輝きが包み込んでいるからです。
「サガ」
そうサガを呼んだ時に、その瞬間気が付くと私は、また転移していたのです。
今度はアテナ神像の前まで。
今日は此処までで、おしまいなのかと思いましたが、また輝きが私を包みます。
ディーテ達に会えなかった事が残念です。だって、きっと、もう此処ではない別の場所に行く事になるかもと予感していたから。
「真名!!」
どうやらサガが短時間で私の小宇宙を探り当て、アテナ神像まで走って来てくれた様です。
「真名!行くな!!」
すごい必死な形相で私に叫ぶサガ。
「サガ……」
わたしはどこにもいきませんよ。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ