星17 転移
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一命を取り留めた様ですが、完全には治らなかったみたいで、時々目を覚ますのですが、お医者さんの話では、その時々でも意識があり、目を開ける事が出来るのが不思議なほど傷ついているそうです。でも、後遺症で喋れなかったり、足が動かせなくなっていたりしているかもとの事で……。
まぁ、小宇宙を燃やせば立てたり、ある程度歩けるでしょうけど。
でも、アイオロスは意識が戻った時、小宇宙を燃やせません。いえ、燃やしませんと言った方がいいでしょうか?
テレパシー等の簡単なモノであれば大丈夫ですが、もしもそれ以上の理由で小宇宙を燃やせば、恐らく聖域にアイオロスが生きている事がバレる可能性はゼロではありません。なので、極力小宇宙を使わない様にアイオロスは基本、眠っています。
え、でもなんでアイオロスがそんな状態でよく私の事を話せたな?って?
サイコキネシスがあるじゃないですかー。簡単なモノでしたらメモ用紙に文字を書く事なんてお手の物。つまり、私の小宇宙を感じ取ったアイオロスが光政公にサイコキネシスで紙に文字を書き、私の事を伝えて今の状況に繋がる訳です。
しかし、こう反応がないという事は眠っているみたいですね。ちょっと顔を見に来ただけなので直に退散しますか。
━━━━━真名か……。
「あ、アイオロス。起きたんですね」
━━━━━ああ。……真名、私が起きている間に君に言いたい事がある。聞いてくれるか?
「はい、良いですよ。なんでしょう?」
━━━━━すまなかった。この一年、気が気ではなかった。私とアテナが助かって、真名は一人聖域で一体でうなったのか。
あらま、もう気にしなくてもいいのにー、私は私の意志で二人を助けたかった。それだけです。
「特に酷い扱いは受けてませんでしたし、向こうでも眠っていただけだったらしいですから、気にしないでくださいな」
そう気にしなくて大丈夫ですよーっと、気さくに言います。本当の事ですしねー。
「それに、私の事より貴方の事ですよ。このままでは奇跡が起きないと、起き上がる事も出来ないとか」
━━━━━ああ、このままではアテナをお守り出来ない。早くなんとかしなければ……。
ああー、焦ってますね。仕方ないことですけど。でも、此処には私が居るのですよ!
「そう言うだろうと思いました、大丈夫ですよ。アイオロス。任せてください」
━━━━━真名?
「光政公に頼んでお庭の端をお借りしようと思いまして」
そう、キュアローズを育てるのです!聖域産ではないので品質は落ちますが、効果はちゃんと出るハズです。主に私の血を使っていますからね。
「キュアローズであれば直にとまでは言えませんけど、起き上がる位までは回復出来るハズです。
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