星16 記憶
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ぽを向いて見なかった事にしてました。
ありがとう、三人共。
そう心でお礼を言いました。
そして、キスが終わり、顔が離れました。身体の方は抱きしめられてます。教皇は満足したのでしょうけど……って、うわっ、すっごい美形です。ディーテも美しいですが、また違う男性的美しさというか……。でも、この人、泣いています。目にゴミでも入ってしまったんでしょうか?
「真名、私の事は覚えているか?恐らく、忘れているだろう?」
「え、私に記憶が無い事を知ってるんですか?」
なんでも、幻朧魔皇拳という本来は洗脳する技なのですが、まだ未完成の状態だったらしく、その技を喰らった直後、後頭部を強くぶつけた為にもしかしたら記憶に混乱が見られるかもしれないと予想していたそうです。
ただ、一年も寝たきりになるとは思わなかったとの事。
……洗脳って、私何したんでしょうか?
「小宇宙も青銅程になっているし、再会した時に仮面も付けていなかったから、アフロディーテが君を真名であると気付かなかったのだろう」
「青銅程度の小宇宙で、魚座の黄金聖衣は反応していました。何故です?」
ディーテが疑問をぶつけます。教皇がそれにゆっくり頷くと、
「真名と初めて会った時も一般人程の小宇宙だったが、魚座の黄金聖衣は反応していたぞ。そして、真名は己を鍛えて小宇宙を高め、長年黄金聖衣を纏っていたからこそ、その名残で纏えたのではと推測する」
なるほどーっと頷くと、
「真名」
名前を呼ばれ顔を上げます。
「私はサガ。サガと呼んでくれ」
「サガ?」
「ああ、しかし普段、この三人の前以外では教皇と呼んでほしい」
名前が沢山あるのですね。ふむふむ。
「わかりました」
私は何故か悲しそうなこの人に笑ってほしいと思い、そっと穏やかな心持ちで微笑みを返します。するとサガは目を見開き、私を抱き締め直し、また泣いてしまいました。なんだか身体の大きい幼子の泣き虫さんを相手してるみたいです。
泣き止んでほしくて私からも背中に腕を回してポンポン軽く叩きます。
余計に泣いてます。仕方ない人ですねぇ……。
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