第百五話 大坂からその四
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「戦にも備えるか」
「そうしていきましょう」
「そうだな、三国を完全に手に入れてだ」
それからのこともだ、英雄は話した。摂津の酒を飲むがその味が実によく次から次にと飲んでいけた。
その中でだ、彼は言うのだった。
「その次だな」
「大和、山城、播磨、紀伊とでござる」
智がこの四国の名を出した。
「大坂の周りにあるでござるが」
「どの国から手に入れていくか、だな」
「それが問題でござる」
「まずはだ」
英雄は今度は刺身、鯛のそれを山葵醤油に漬けて口の中に入れてから述べた。魚の味が山葵と醤油によって引き出され食感もあって実に美味い。
「大和か」
「あの国でござるか」
「あの国は奈良の街の商業がありだ」
そしてというのだ。
「北に見事な田が多く南も木が多い」
「木を切って売るでござるな」
「しかも紙も作っている」
英雄は特産品の話もした。
「あれも売ってだ」
「そうしてでござるか」
「儲けてだ」
「そうしてでござるな」
「それを政にも戦にも使う」
「摂津、河内、和泉の富に加えて」
「大和もだ、三国に大和を加えると」
どうなるかもだ、英雄は話した。
「四万の兵を持てる」
「そしてその四万の兵で」
「さらに戦っていく、大和の次はな」
何処を攻めるのかをだ、英雄は話した。
「今度は播磨だ」
「あの国でござるか」
「あの国も豊かだ、いい田が多く神戸の街もある。塩もだ」
ここでだ、英雄は特産品の話をした。
「あるからな」
「塩もでござるな」
「手に入れている、塩は売れる」
強い言葉でだ、英雄は言い切った。
「人は塩がないと生きていられないからな」
「だから絶対に売れるであります」
峰夫も言ってきた。
「塩は」
「だからだ、塩もだ」
「手に入れるでありますか」
「この島にあるのは湖だ、だが」
「赤穂には塩山があるでありますな」
「塩を採掘するな」
「果てしないまでに塩を産するな」
「この浮島一の塩山が」
峰夫も述べた。
「だからでありますな」
「あの塩を手に入れて神戸の街も田畑もだ」
播磨の全てをというのだ。
「手に入れていく」
「大和の次は」
「その後は紀伊か伊勢か」
「そして山城で」
「都か」
ここになるかというのだ。
「そして近江、丹波、若狭、丹後も手に入れていく」
「まずは近畿とその周りの国の完全掌握ってことたいな」
香織は鱚の天婦羅を食べつつ話した、天婦羅は他には海老や烏賊もある。
「そうたいな」
「そうだ、近畿とその周りの国は何処も豊かだ」
「その豊かな国を全て手に入れて」
「そのうえでだ」
「他の地域たいな」
「こうした国々を全て手に入れるとな」
それこそとだ、英雄は話した。
「十万の兵
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