第五章
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「それでや」
「今はね」
「本気の本気で行くで」
「じゃあ私もね」
「頼むな」
「勿論よ。お仕事は助け合ってよ」
フォークナーは岩人のいかつい顔を笑みにさせて応えた、そしてだった。
二人で迷宮の中に入った、そうして。
合わせ鏡の迷宮の中を進むとだ、不意に。
ガーランドがいる場所のすぐ右の鏡から白い二本の手が出て来た、その手はガーランドを捕まえようとしていたが。
ガーランドはフォークナーと共に逆にその手を掴み二人で鏡の中に飛び込んだ、鏡の中は遊園地であったが。
全てが左右逆だった、それでガーランドは言った。
「鏡の世界か」
「そうね」
「生きてる人間はおらんけどな」
「左右逆だから」
「ここは明らかにな」
「鏡の世界ね」
「そしてな」
ここでだ、ガーランドはフォークナーと共にこの世界に入る時に掴んだ腕を見るとだ。今は何処にもなかった。
それでだ、こう言った。
「掴んだ手はない」
「何処に行ったかは」
「言うまでもないな」
「ええ、いるわね」
「まさか自分達から来るなんて」
見ればゾンビ族を思わせる死んだ肌の四枚翼の天使の女がいた、女は死者の顔で二人に対して言ってきた。
「思わなかったわ」
「さっきの手の主やな」
「そうよ、私は天使ドローネ」
「天使でも普通の天使やなのはわかってるわ」
「堕天使よ」
「やっぱりな、天使は人と戦う時は堂々と仕掛けてくる」
神罰だと言ってだ、悪魔も時として人に仕掛けるが天使もこの世界では人に攻撃を仕掛けることがあるのだ。人は善悪の狭間にあり悪魔にとっても天使にとっても時として攻撃を仕掛けるべき対象になるのだ。
「しかし堕天使はな」
「こうしてというのね」
「陰湿なやり方をするからな」
「悪魔ともまた違いますし」
フォークナ―も言う、見れば堕天使の後ろには多くの二枚の翼の天使達どう見ても堕天使の者達がいる。
「すぐにわかりますね」
「ああ、ここを根城にして人の魂を奪ってたか」
「そうよ、魂は悪魔にとっても天使にとっても財産となり」
「堕天使にとってもやな」
「財産となるわ。その財産を得ていたのよ」
「そういうことやな、ほなおどれを倒したら」
「この迷宮で私に魂を奪われた人の魂は元に戻るわ」
堕天使は自ら話した。
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