第二章
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「そうしよか」
「ガーランド君が決めればいいわ」
「そうしてええか」
「だってガーランド君の神託よ」
何処か乙女な仕草でだ、フォークナーは話した。
「だったらね」
「おらっちがか」
「決めることでね、私はね」
フォークナーはというと。
「今回はね」
「サポートか」
「それに徹するわ」
「そうしてくれるか」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「ガーランド君次第よ」
「そうか、ほなな」
それならとだ、ガーランドはフォークナーの言葉に頷いてだった。
そのうえで依頼を素性を隠し旅の冒険者ということで受けることにした、そして依頼先の街の銀行で働いているセオドア=チャップマンの家に行くと。
一人の山羊人の少女が椅子に座っていた、着ている服は開拓期のアメリカのものだ。
山羊人の感覚では整い清楚な外見だ、だが。
座っているだけで瞬きも呼吸もしない、当然動きもしない。その彼女とを見てガーランドは家の主の中年の山羊人の男に言った。スーツがよく似合っている。
「魂がないからか」
「はい、それでなんです」
銀行員はすぐに答えた。
「この通りで」
「そうなんやな」
「はい、実は十日前に街の遊園地に行って」
「遊園地かいな」
「そこで、です」
「こうなったんか」
「はい、遊園地の中で行方不明になって」
そうしてというのだ。
「遊園地の中を探しますと」
「その中におったか」
「鏡の迷宮の中に。そして」
「この調子やな」
「そうなりました、それで鏡の迷宮に何かあると言われていますが」
少女が発見されたそこでというのだ。
「ですが」
「詳しいことはやな」
「わかっていません」
「そやねんな」
「はい、ですが」
それでもとだ、銀行員はガーランドにさらに話した、その横には彼の妻である中年の山羊人の女もいる。
「今は捜査もです」
「鏡の迷宮のか」
「されていません。入った人がです」
「この娘みたいにですね」
フォークナ―は少女を見つつ銀行員に尋ねた。
「魂がなくなって」
「そうして発見される人が続出していて」
それでというのだ。
「今は立ち入り禁止になっています」
「遊園地の人や警察もですね」
「あまりにも危険なので」
「そうですか」
「ですが何とかしない訳にはいかず」
「私達冒険者にですね」
「鉄砲玉といいますか」
銀行員はこうも言った。
「ですが」
「危険を冒して鏡の迷宮を調査して」
「そして問題を解決してくれる」
「そうした人にやな」
またガーランドが言ってきた。
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