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ある晴れた日に
355部分:白銀の月その二十
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白銀の月その二十

「いるけれど気付かないふりをして」
「そうするか」
「そういうこと。皆はいないわ」
 微笑んで話す未晴だった。
「そういうことでね」
「ああ。それじゃあな」
 こうして二人はまずはその観覧車に乗った。そうしてそこから下を見てそのうえで未晴が口を開こうとする。しかしその間にクラスの面々はまた騒いでいた。
「えっ、全員は無理!?」
「嘘だろ、おい」
「絶対乗れるわよ」
「乗れるわけないでしょ」
 何故か一つの観覧車に全員で乗ろうとしていて係の人に止められていた。
「それだけの人数で一つの観覧車にって」
「我慢すればいけますよ」
「そうそう」
 しかし彼等も引かない。あくまで一つで行こうとする。
「ですから御心配なく」
「私達は一つで」
「君達死にたいの?」
 係のお兄さんは呆れる顔で彼等に言ってきた。
「若しもだよ、この人数で一つの観覧車に乗ったら」
「すし詰めになるだけだよな」
「たったそれだけじゃない」
「ねえ」
 皆はこう考えているだけだった。しかし係という責任ある立場にいて皆を出迎えたり安全を監視するのが仕事のお兄さんにとって、冗談ではなかった。
「そんなの出来る訳ないでしょ。死にたいの?君達」
「いえ。それは全然」
「それはないです」
 皆それは否定するのだった。
「それないですよ」
「只一つのに乗りたいだけで」
「乗ってそのまま落ちるよ」
 彼は今度はこう言うのだった。
「本当に全員死ぬって」
「まさか」
「そのまさかだよ」
 またお兄さんが彼等に話す。
「重さで落ちてそのままだよ。実際にね」
 しかもさらに皆に話してきた。
「それで死ぬよ」
「ううん、そういえば確かに」
「重ければ落ちるな」
「そうよね」
 それが今やっとわかったのだった。
「じゃあやっぱりここは分乗するか」
「そうだな。それしかないか」
「やっぱりな」
「四人までいけるよ」
 お兄さんがすぐにまた彼等に言ってきたのだった。
「四人までね。十七人いるから」
「四人が三つで」
 千佳が言った。これで十二人だ。
「あとは三人が一つで二人も一つね」
「何か少し考えたら簡単な算数よね」
「確かにね」
 皆ここでまた顔を見合わせる。そうしてそのうえで話す。
「十七を適当に割るんだからな」
「考えるまでもないわね」
「じゃあそれでいいね」
 お兄さんはまた彼等に声をかけてきた。
「五つに分かれてもらうよ。それじゃあ」
「あっ、はい」
「じゃあ」
 皆これで頷く。それで乗ろうとしたその時にまたもめるのだった。
「だから私達が二人でね」
「それでいいじゃない」
 相変わらず怪しいまでに仲のいい明日夢と凛がまた皆に言っていた。
「三人はまあ
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