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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― 再開
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庭から魔王の力で投げ出され、あまりのリソースの異質さに外界をクッションとすることもできなかった……元ノーネーム、最強の一人。高橋示道」
ゲームによって魔王を下し、人間ではありえない数の魔王を隷属させた存在。その従者は一人を除きすべて箱庭に囚われたが、それでもその功績は受け入れられる器が存在せず、病身の世界と同様に捨てられ、陰陽師と言う存在が最も適合するそのサンプルへとたどり着いた。
そこからは単純である。彼はぬらりひょんと契約し、新たな異能を得た。外の世界の能力、その中でも高水準のもの。配偶者である魔女ジャンヌダルクの血。これらはその力を十分以上に次世代へ繋ぎ、時に永らえ、時に数秒で代替わりし、一輝の代へとたどり着く。
「これまでは滅ぼされるだけだった。何を準備しても何を混ぜ合わせても勝てなかったところに、重なり続けたイレギュラーは勝利した。そこで世界がすべてのリソースをそのサンプルケースに集中させたから、それだけの霊格になった。世界も賭けに出て大きすぎる
祝福
(
おせっかい
)
を与えた」
それが全ての答えだ。与えられた結果の形だ。故に一輝は、絶対に答えにたどり着かないと思っていたために、心からの拍手を送る。
「じゃあ、最後の問だ」
そして、最終解を求める。
「俺の一族の霊格。それをお前は何と呼ぶ?」
お前なら何と呼ぶのか。この問いを、逆廻十六夜は真っ向から受ける。
「世界に根付いた病巣に対して突然変異的に現れた、一つの抗体。不治の病に対して唯一効果を持つ正体不明。
病巣
(
ガン
)
を除去しうる謎の存在だ」
「大・正・解!」
鬼道の開祖は歪みをガン細胞にたとえ、自分たちをそれに対する唯一の抗体であると説明した。十六夜がそれとまったく同じ結論を出したことで、二つの変化が終了する。
一つ目は、契約書類。これまでは白と黒の正方形が交互に並んで形作られていたのだが、この宣言と共に黒は細く縁取るだけのものとなり、その内は輝きに満たされたものへと変化する。明確な善であると証明された以上、どっちつかずの契約書類はそれに合わせた形へと変化する。
二つ目は、これまでも段々と上昇していた霊格が爆発的に上昇する。これもまた、当然のこと。
ジャック・オー・ランタンが保有していた謎の殺人鬼の主催者権限。こちらであれば、知られざる真実を解き明かすことは霊格の喪失へとつながる。当然だ、『知られていない』ことこそが
恐怖
(
霊格
)
を与えているのだから。
しかし、鬼道のそれはそうではない。彼の一族は秘匿された英雄だ。秘匿されていた真実が語られたのなら……人々は、世界と同様の信仰を与えるのだから。当然すぎる帰結。
―――今ここに、完成した。
魔王/英雄が完成した。
神霊が完成した。
人間が完成した。
鬼道が完成し
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