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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― 再開
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漏らす。その形は自らにゲームで挑むのなら絶対取るものがいない形であり、しかし自分なら必ずこの形をとるであろう作戦。己がゲーム、及びそこに記された謎を解き明かしたのか、誰かから聞いたのか、ただこちらのテンポを崩すためのなりふり構わない作戦か。
《いや、どれでもないな》
はっきりそう切り捨てる。彼らに自らのゲームを解き明かせる知は無く、解答を知っている四人の人物に関して、内三人については答えを語ることを禁止した。禁止していない一人についても答えを語ることはないだろうが、
《ヤシロなら、何らかの条件をクリアすることでヒントを出すだろうな。こうして新たに現れた滅びの結末、それを俺がどう乗り越えるかを楽しむために》
それならばそれでも十分だ。刀にかけていた手を降ろして、相手側のリーダーにあたるであろう人物へ問う。
「さて、まずは答え合わせと行こうか十六夜。お前たちが出した答え。その結論から言ってみろ」
「最終解、『鬼道』=『英雄』だ」
ただその答えを語られただけで、一輝の霊格に変化が起こる。その変化から答えの正しさを確信し、続きを語る。
「しかし、アキレウス、ラーマ、日本武尊とは異なり誰もが認める英雄ではない。真実を知らないものはその存在を悪であると断じ……そのためにこんな契約書類になった」
取り出したのは白黒のそれ。どっちつかずを体現するかのような書類の指す内容は、見たままのこと。
「まず、真実を覆い隠す虚像。悪と捉えられた鬼道について。これは以下の理由によるものだ。
一つ。悪である妖怪との対等な契約。
二つ。同胞を永遠にとらえ続け、利用し続ける異能。
三つ。時折現れるあらゆる常識の外側にある能力。
四つ。檻を持つ血族全員に存在する精神性の異常。
そんなおかしさをとらえる母数の多さから悪としての鬼道が成立したが、実際にはこれだけの存在だ。悪としてとらえ、語り、存在するにはあまりにも弱い」
そう、言ってしまえばそれだけのことなのだ。個人が悪の霊格になるには十分だが、一族単位で染めるには小さい、ただの勘違い。彼らが外道を名乗り、鬼の名を冠したために悪の霊格が成立してしまった、地盤はあまりにも緩い。これを維持するためだけに分かりやすい悪を成す当主が現れたのではないかと思えるほどに。
「では、正しい霊格である善の霊格。知れば誰もが納得するこの功績は何であるのか。それを語るため、まずは今いる世界。箱庭から観測できる世界がどのように成立しているのか、どのような歴史をたどったのかを推測の下語らせてもらう」
これは決して、英雄を恥ずかしめる行為ではない。その存在を真に正しく評価する、称える行いだ。だからこそ、語り始めた存在へ主催者は手を出すことができない。
「この世界には確かに、ifの世界が存
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