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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
一族の物語 ―交わした約束― 再開
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その問いかけは、容易に答えられるものではなかった。
是と答えたのならば、人類の滅びへ加担すると宣言するようなものであり。
否と答えたのならば、共に死線を乗り越えてきた盟友を見捨てると断言するようなものであり。
どちらを選んだとしても、何か大きなものを失う問いかけなのだから。そうなるのも仕方ないだろう。
さて、そうなってしまえば。あらゆる回答は正解へ昇華され、あらゆる回答は過ちへとなり果てる。
10秒。彼らは悩んだ。彼女はにこやかに待った。
20秒。彼らは思考を振り絞った。彼女はその様子を書物に記した。
30秒。彼らは背負ってしまった責任に押し潰されそうになった。彼女は欠伸を一つ漏らした。
40秒。彼らは決断を下せないと結論付けた。彼女は飽きてきて、もう見捨ててしまおうかと考えだした。
そして、50秒。
「――、――――――――――」
人間らしい、エゴに満ちた発言に。
「いいよ……じゃあ、おバカな挑戦者たちに、ヒントを差し上げましょう」
終末の具現は、心の底からの称賛を示した。
称賛ゆえに伝えられたのが、答えではなくヒント。
まずは、前提条件について。
一つ目。一輝の世界は箱庭から観測できない。こうなっているのは箱庭が存在する世界の選択である。
二つ目。世界がそのような選択をしたのは、自己保存のためである。
そして、与えられるヒント。
一つ。あの世界における妖怪、魔物、霊獣、神霊といった『異形』についての情報を考えること。
二つ。善であり悪であり境界である鬼道の霊格について。その最大観測者が誰になるのか、最大観測者から見た場合何になるのかを考えること。
三つ。もしも『世界』と言う存在が意志を持っていて、『歴史』という時の流れを定義しているのなら……その流れは、一方通行なのかな?
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こうして、ヒントを与えられた挑戦者たちは思考を巡らせ……答えに、たどり着いた。
答えを獲得した少年たちは、それを祝福した終末によって策を授けられた。
挑戦者を得た外道はそうとは知らず、一人森の中で未来を待つ。
楽しめると期待して、クリアできるとは期待せず。さてどうやって大義名分の下“ノーネーム”に帰ろうかと考えながら。
思えばこの時点で、結末は決まっていたのかもしれない。……なんでか、だって?そんなもの、考えるまでもないだろう?
油断しきった神様と、覚悟を定め挑む無力な少年少女。
ほら。結末なんて、考えるまでもないだろう?
さて、それでは。時を進め、ゲーム再開の日時へ向かうとしようか。
========
「……へぇ」
ゲームを再開したゲームマスターは、その陣形にふと声を
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