星13 女神降臨
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付きます。皆が傅いた場所よりも近くに。
それに皆さん息を飲む音が聞こえました。
そんな事気にせずアテナにもっと近付きます。
「真名!」
咎める様な声がしましたが気にしません。
そして、私はアテナの顔を覗き込む事が出来る程近付きました。
するとアテナは私を見上げて不思議そうな顔をしました。
その顔を見た私は双魚宮の花園で植えてあるオリーブの枝と棘を取り去ったキュアローズ。青薔薇をマジックよろしく取り出します。
すると意外とわかるのか、驚いた様な感じにアテナは目を見開いたかと思うと、きゃらきゃらと笑い出しました。
そんなアテナが愛おしくて思わずといった感じに言葉が出ていました。
「アテナ、ご存知ですか?オリーブと青薔薇の花言葉」
オリーブはともかく、この時代に青薔薇の花言葉があるかは忘れました。でも、この子の誕生は戦いだけではなく、ちゃんと人間の女性としての幸せも感じてほしいと思うのは私がイレギュラーだからでしょうか?
どうか、この子に運命に負けない様な加護が、ふふっ、女神自身なのに加護は変ですかね?幸せがありますように……。
「オリーブは”平和”、青薔薇は”奇跡”、”神の祝福”というんですよ。ふふっ、そういえばオリーブは貴女様の木でしたね」
そう言って仮面越しですが微笑みました。
そっと持っていたオリーブの枝と青薔薇を”赤ん坊”の隣に添えます。誕生を祝福するかの様に。
私の小宇宙を纏らせているので簡単には枯れないでしょう。
そして、アテナに特大な敬意を表して傅き、頭を垂れます。
それを見ていた教皇様はただただ静かに見守ってくれていました。
そんな教皇様にそっとお辞儀して、アテナと教皇様から離れます。
私の行動を見ていた皆さんは信じられない者を見たと言わんばかりの顔をしていましたね。
つい、おかしくって笑ってしまいましたよ。
「真名、笑っている場合では……」
「はい、わかってますよ」
ふっとアテナと教皇様を振り返り、籠の中に居るとわかっていますが、そっと手を振るのでした。
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