暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第145話:Pitch Black
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のように緊張感を高めていき、場の空気が、ピタリと止まった一瞬、揺れ動いた。

「はああああっ!!」

「うおおおお!!」

互いの刃が急所目掛けて、宙を真っ二つに斬り裂いた。

勇姿が交差し、火花が散り、反対方向に跳んだ2人は、直後に目を見開いた。

ゼロの左肩から鮮血が上がり、噴き上げた血にゼロは大きくよろめいた。

それに対してカマキールは笑って勝敗に目を細め、ゼロに、もしかしたら自分達の大将になれたかもしれない古の破壊神に賛辞を送った。

「やるじゃねえか、破壊神さんよ」

直後に血を噴き上げてカマキールは絶命した。

それを確認したアイリスはゆっくりとゼロに歩み寄ると、止血を始めた。

そして機能停止したカマキールの方を見遣ると口を開いた。

「私達が不完全なのも、それ故に擦れ違い、争うことも知っている…でも不完全だからこそ、手を取り合って、支え合うことが出来る。それが私達レプリロイドなのよ…ゼロ、大丈夫?」

「それはこちらの台詞だ。アイリス、いくら防御力の底上げをしていたからとは言え、何て無茶を…」

「ごめんなさい、でもああするしかないと思ったの……ゼロ、本当にごめんなさい…でも私もあなたの役に立てたでしょ?」

微笑みながら尋ねてくるアイリスにゼロも彼女にしか見せない穏やかな笑みで彼女を抱き締めた。
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