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ロックマンX〜Vermilion Warrior〜
第145話:Pitch Black
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しでもダメージを軽減すれば…何とか耐えられるんじゃないかと思ったけど…」
「………見た目に寄らず大した度胸だなあんた。成功するかどうかも分からないのに臆することなく自分を盾にするなんてよ」
カマキールが沈黙を破る。
それは、皮肉ではなく、本心から実力を認めた響きである。
「っ…イレギュラーに褒められても嬉しくないわね」
しかしそれでもカマキールのスペシャルアタックを受けてはただでは済まずにアイリスはダメージの影響で膝をついた。
「そうか?ははっ…」
アイリスが膝を着いたのと同時に再び沈黙が戻り、槍をセイバーに戻したゼロが無言でアイリスを庇うように前に出た。
しばらくしてカマキールが再度口を開いた。
「なあ、あんたらの言うイレギュラーってのは何だ?」
戦場に似合わぬ穏やかな声でゼロに問う。
「何を今更…貴様らのような狂った奴らのことをそう言うんだ」
「そうかい?俺はてっきり、あんたらに従わないレプリロイドだと思ってたぜ?」
その言葉にゼロとアイリスは思わず目を細めた。
“イレギュラー”…人間やレプリロイドに害を為す存在のことを意味する言葉だが、その定義が綻びているのをゼロとアイリスは知っている。
かつてのレプリフォースのように、一方的にイレギュラーの烙印を押された者がいる。
イレギュラーの定義も、正義の形すらも今となっては殆ど曖昧な物となっており、“イレギュラー”達の嘲笑の対象となっている。
「まあ、あんたらには分からねえだろうな…俺達の存在理由を、俺達はこの世界を変えるために造られた。この歪んで、狂った世界をよ!!」
「(狂った…)」
世界には沢山の矛盾がある。
レプリフォース大戦では互いに認め合ったゼロとカーネルが戦い、上司と部下の関係であったエックスとディザイアが戦った。
そして親子のような関係であったアクセルとレッドも殺し合った。
そういう視点からすれば確かにこの世界は狂っているのだろう。
「(でも、みんなは悲しみを乗り越えて戦っている…世界を守るために…)」
「狂っているのは貴様だ。貴様がこの世界をどう思っているのかは知らんが、貴様らの勝手な理由でこの世界を荒らすのは許さん」
仲間が沢山の血と涙を流しながら、守り続けてきたこの世界。
イレギュラーのために滅ぼされては先に死んでいった仲間に申し訳が立たないのだ。
「そう言うと思ったぜ」
カマキールが嘲笑い、再び鎌を構えた。
「どちらが正しいのか、次で決めようぜ…」
「望むところだ……」
戦いは最後の幕を迎えた。
次の一撃が最後となるとアイリスは何となくそう思った。
息を詰め、静止した2人の空気が弓を引き絞るか
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