暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第56話 氷点下の決戦、三つ巴の戦い!
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虎児はその犠牲者と言っていい……元々子供には何の罪もねえからな」
「俺達グルメヤクザはさっき言っていた違法な食材をさばいたりもするクズさ、忌み嫌われるのは当然の事。でもそれでネルグ街で生まれたからって子供たちまで同じ扱いを受けるのは納得できない……!」
「マッチさんはいつも言っているよ、『まずは食わせてからだ、善人も悪人もそれからだ』だと……」


 皆はラム達の言葉を聞いていろいろと考えさせられたようだ、勿論俺も考えさせられた。


 飢えに苦しむのに階級も年齢も関係ない、それは分かっていても貧富の差というものは必ず出てしまう。だから彼らみたいに悪事に手を染めないと生きていけない人間が存在する。


 恵まれた人間はそれを戯言だとか悪人に仕方なかったど無いと非難をする。だが実際にそういう人達の話を聞くと、やっぱり人間って難しい生き物だなと思ってしまうよ。


「……正直マッチさん達がヤクザと聞いて怖いと思ったわ。でも彼らは善人ではないけど悪人でもないわね。悪魔だってそう、裕福な暮らしをする貴族の陰で十分な教育を受けられない下級悪魔もいる。それを知っていながら私は何もしなかった。それに比べて子供たちの為に行動しようとする彼らの方がよっぽど輝いて見えるもの」


「ええ、僕達だって悪魔の家業をしていますしはぐれ悪魔の命を奪ったりしました。もしかしたらその中には仕方なくはぐれ悪魔になった者もいたはずです、僕たちはそれを平然と切り捨ててきた。でもそうしないと無関係の人に被害が出てしまう……マッチさん達も同じです、彼らの行いで苦しむ人もいるけど救われた人もいる。本当に正しい事なんて僕達には分からないから自分ができることをするんだね」


「堕天使だってそうですわ。元は高潔な天使だったけど欲に溺れて堕天してしまった身勝手な生き物……そんな欲望の塊に比べたらマッチさん達のしていることを責めたりできません」


「人間だって妖怪だってどうしようもない時はあります……そんな時に手をさし伸ばしてあげられる人を私は純粋に凄いと思いました」


「私の神器は人の傷は癒せます、でも飢えはどうあがいても癒してあげられません。主に祈りをささげてもそんな事でお腹が膨れる訳ない事は今ならわかります。それに教会にいた頃生きるために悪いことをしてしまったと懺悔してきた人を何人も見てきました。神官は平然と許されざる事をしたと言ってしまいましたが、その人たちの気持ちは実際にその経験をした人じゃないと分からないですよね」


「私には親はいないが、側にいてくれる人たちがいた。だからスラムの子供たちに比べればよっぽど裕福な生き方をしてきたと改めて知ったよ。違法な食材を流通させるのは間違っているが、そうしないと救えない命もあるか……難しい話だな」
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