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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
第56話 氷点下の決戦、三つ巴の戦い!
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生い立ちについて話し出した。


「俺達は『ネルグ街』という町の出身なんだ」
「ネルグ街……?初めて聞く場所ですね」
「ネルグ街はIGO非加盟のグルメ犯罪都市と呼ばれるスラム街の事だ」
「流通の禁止された食材が公然と出回る無法地帯ですね。グルメ刑務所に収監されている囚人の約一割はネルグ街出身という犯罪者生産工場ですよ」


 俺と滝丸がネルグ街について皆に話すと、小猫ちゃん達はちょっと怖そうな場所をイメージしたようで恐れの混じった表情を浮かべていた。


「……っあ!ごめんなさい。私達ってばつい顔に出してしまって……」
「気にするな、俺達はそのネルグ街の裏社会を統治する『グルメヤクザ』の一員だ。そんな表情をされるのは慣れている」
「むしろ忌み嫌われて当然の存在だしな」
「違いない」


 リアスさんはつい嫌そうな表情を浮かべてしまった事に謝罪をする。だがルイ達は気にするなと腕を振った。


「……マッチが金を目的にこんな旅に参加したとは思えないな。他に目的があるのか?」
「当然センチュリースープを手に入れるためさ。スラムで待つ子供たちの為にな」
「スラムの子供たち……?」


 俺はマッチ達が金目的でこの旅に参加したとは思えなかったので、質問をしてみるとシン達は自身の目的を話してくれた。子供と聞いたイリナは目を丸くしている。


「ネルグ街のスラムには身寄りをなくした子供も多くいるんだ。いわゆるストリートチルドレンって奴だな」
「俺達も元々はそのストリートチルドレンの一人だった。毎日一食を食うだけでも大変だったよ、そんな俺達に食べ物を恵んでくれたのが他ならぬマッチさんだったのさ」
「当時のマッチさんはグルメヤクザの若頭だった。普通ならガキなんかにかまったりしない立場にいる人だったのに、あの人は何の見返りもなく俺達に食べ物を恵んでくれたんだ。あの時見たご馳走の美味さときたら……言葉に出来ないくらいさ」


 ラム、シン、ルイは本当に嬉しそうな様子で当時の事を語ってくれた。なるほど、この三人にとってマッチは命の恩人って訳か。


「それで貴方方もグルメヤクザになったんですか?」
「ああ、少しでもマッチさんの力になりたくてな」
「俺達は救われたんだ。たった一度のご馳走で大げさかもしれない……でも俺達はハイエナから人間になれた……全部マッチさんのお蔭さ」
「あの人もかつては俺達と同じ立場だったらしい、それを救ってくれたのが組長だったんだ。組長はマッチさんにこう言ったそうだ。『恩なら自分ではなく、同じように苦しむ子供に分けてやれ』ってな」
「素晴らしい言葉ですわ……」


 朱乃さんの言う通り素晴らしい言葉だな、その組長って人に会ってみたくなったぜ。


「最大の悪は貧困だ。
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