番外 カノン
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そんな想いがあの時した喧嘩に影響してしまったのだろう。
サガから訓練していた時の真名の名を聞いた瞬間、思わず覚えたてのアナザーディメンションを放ってしまっていた。もちろん、サガも同じ技を習得している。俺の隙をつき、機転を利かして自身にアナザーディメンションを打ち出し、俺の後ろに移動して、光速拳を繰り出してきた。それを受け流し、俺もサガに光速拳を繰り出すが、ヤツも全て受け流してカウンターを仕掛けてくる。俺も負けじとサガに一発ヤツの顔に食らわした。まさにクロスカウンターの形になる。その後お互いに倒れこんだ。
まったく、こんな事で嫉妬なんて、恥ずかし過ぎる……。
その出来事があった翌日、ロドリオ村からの帰りなのか女官二人が歩いている時に聞こえてきた内容に驚いてしまった。
なんと、真名以外の魚座の黄金聖闘士候補が居て聖域に来るという話を、聞いた。確信を持ちたくてサガが居ない事を確認して、コロシアムでも情報を集めてみた。どうやら本当らしい。近い内に真名に会いに行くか。
その日から二日たった頃、俺は双魚宮に向かった。この話をする為に。
もしかしたら、真名が俺と同じ存在になるのでは……っと、思ってしまった俺は真名に聞いてみたい事があった。だから、この話をした時にあまりにもしつこく聞いてしまったので真名にサガとの事を聞かれた。
今度は詳しく思い出してしまうと、訓練中の真名がーとか、コロシアムで雑兵に親切にーとか真名の話をされて一緒に何か出来た事がなかったから嫉妬し、喧嘩してしまった事、今回の話を持ってきた時に、もしかしたら俺と同じになるのでは?と思っていたから、真名の反応を知りたかったという焦りもあった事など、あまりにも性急過ぎてしまった事で、聞き出しにかかってきた真名に思わず顔に出ていた様で、焦りに焦った俺は思わず逃げ出してしまった。なんと情けない……。
こんな事、絶対に誰にも言えない。
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