体育倉庫の飛び箱の中に隠れて
[1/13]
[1]次 最後
「お前、セックスやったことあるか?」
「せっくす!?」
放課後家に帰って部屋でゲームしてると、いっしょについてきた悪友が唐突に話しかけてきた。
「な、ないよ! 僕、まだ……」
「でもさ、クラスでも何人かヤッてんだぜ、男子も女子も」
「そういうお前はどうなんだよ」
「ん? んー、まだ勉強中」
「勉強? エロ動画とかみてんの?」
「そんなんもう飽きたよ、今は生だ生」
「生!?」
「裏体育倉庫だよ、裏の体育倉庫の生中継〜」
「裏!?」
――悪友いわく。
学校の体育倉庫って、運動場の隅っこに有るのと。
もう1個、校舎の裏にもあるんだそうだ。
僕は知らなかったけど、裏の体育倉庫の方はあまり人気(ひとけ)が無くて、そこで……。
「ヤってんだってさ、先生と女子が」
「マジ!?」
「床にせーし落ちてたりするらしいぜ」
男子は成長すると精通ってのが来て、おちんちんから精子が出るって、授業で聞いたことがある。
その精子が女の子の体に入ると、赤ちゃんができるってのも聞いた。
でも……僕はまだ精通が来てないから、セックスできないんだ。
「あそこにでっけー跳び箱があんだよ。放課後の掃除の時間にそこに隠れてろ。
そーすっと、せんせーと女子がやって来て、パンツ脱いで……セックスすんだってよ」
真っ赤になった顔をこいつにみられないよう、僕は顔をそらす。
「誰と、誰がしてんの?」
「ヒゲダルマっていんだろ、体育の」
「うん」
「あいつと女子が、何人か」
「一人じゃないの?」
「あのセクハラダルマ、女子といっぱいヤッてるらしーぜ」
「……!」
――翌日の放課後。
言われた通り、僕は裏の体育倉庫の跳び箱の中にいた。
うだるような夏の暑さの中、使い古しのマットとかボールとかのすえた匂いが漂う体育倉庫。
僕はまず裏体育倉庫の床に精子が落ちてないか探してみた。……けど、見つからなかった。
(でも、見つからないってことは、まだセックスやってない)
跳び箱の上段をずらして、その中に入ってじっと待った。
たくさん汗をかきながら息を殺し、跳び箱の隙間から外をうかがう。
がらがらっ。
扉が開いた。
「マットが雑に置いてある、きちんとしないとな」
「はい」
「俺も手伝うぞ」
「はい」
体育倉庫の扉が閉まり……内側から鍵がかけられた。
とたんに、ヒゲダルマの声がいやらしい声に変わる。
「へへ、中から鍵がかけられるようにしたのは俺だ、頭いいだろぉ?」
「はい、先生」
「ま、やることやってから、ヤろうな?」
「はい」
(え? え? ええっ!?)
僕は一瞬叫びそうになって口を押える。
後ずさりして跳び箱に
[1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ